初級翻訳・罪と罰 第187話

ドストエフスキー

それは事実だが、なんだか方向性が違うような気がする。
スヴィドリガイロフとも、やはり闘わなければならないかもしれない。
ひょっとすると、スヴィドリガイロフという存在が、一つの出口になる可能性だってある。
だが、ポルフィーリイは別問題だ』

『それにしても、ポルフィーリイは直接ラズーミヒンに説明したんだな、心理的に解説したんだな! またしても、あの忌々しい得意の心理的方法を持ち出したのか! あのポルフィーリイが? あのポルフィーリイが、二人の間にあんなやり取りがあった後で、ミコールカが現れる前に差し向かいで一戦交えた後で、たった一分でもミコールカを犯人だと本気で信じるなんてことが、あってたまるか! あの時の出来事に対して、ミコールカ犯人説以外の正しい解釈を見出すことはできない。
ただ一つの解釈を別として。
(ラスコーリニコフはここ四、五日、ポルフィーリイとのあの対決を、何度も断片的に思い出していた。ひとまとめにして回想することは、どうしてもできなかったのだ。)
あの時、二人の間では、もうこうなってはミコールカ程度の証拠ではびくともしないような言葉が交わされ、視線がぶつかり、声のトーンで暗に語られ、追い詰められるところまで追い詰められたのだ(ポルフィーリイはミコールカの腹の内など、最初の一言一動で、手のひらを指すように見抜いていたはずだ)』

『だが、いったいなんてことだ! ラズーミヒンまでが俺に疑いの目を向けるようになったのか! となると、あの廊下、ランプの下での一幕は、ただでは済まなかったということか……』だからこそ、あの男をポルフィーリイのところへ走らせたわけだ……。しかし、ポルフィーリイはどういう理由で、わざわざあの男をだましたんだろう? ラズーミヒンの注意をミコールカの方へそらしたのには、何か目的があるはずだ。いや、間違いなくやつは何かを企んでいる。確実な計画があるんだ。だが、いったいどんな? もっとも、あの朝からずいぶん時間が経ってしまった――あまりに、経ちすぎている。
それなのに、ポルフィーリイの様子は噂にも影にも出てこない。
ともかく、これは決していい兆候じゃない……」ラスコーリニコフは帽子を手に取ると、考えに沈みながら部屋を出た。
この数日のあいだで、自分が多少なりともまともな意識を持っていると感じられたのは、今日が初めてだった。

『まずは、スヴィドリガイロフの決着をつけなくては』彼はそう考えた。
『何が何でも、一刻も早く。あの男もきっと、俺が向こうからやって来るのを待っているに違いない』その瞬間、ふいに彼の疲れ切った心の底から、言葉では言い表せないような激しい憎しみがこみ上げてきた。スヴィドリガイロフかポルフィーリイか、どちらか一方でも今すぐ殺してしまいたいような衝動に駆られた。
少なくとも、もし今やらなければ、いつか後でやられてしまう――そんな予感がした。
『まあ見ていろ、見ていろよ』と彼は心の中で繰り返した。
しかし、廊下へ出るドアを開けたその瞬間、思いがけずポルフィーリイ本人とばったり鉢合わせた。
相手はちょうど、ラスコーリニコフの部屋に入ってこようとしていたところだった。
ラスコーリニコフは一瞬、石のように固まってしまったが、それもほんのわずかな間だけだった。
不思議なことに、彼はポルフィーリイと会ったことにそれほど驚きもしなければ、ほとんど怯えもしなかった。
ただ身を少しピクッとさせただけで、すぐさま心の準備を整えた。
『もしかして、これで決着か! だが、なんで猫みたいに音もなく近づいてきたんだ? ちっとも気がつかなかったぞ! まさか聞き耳を立てていたわけじゃあるまいな?』

「いきなりですみませんね、ロジオン・ロマーヌイチ」ポルフィーリイは笑いながら声をかけた。
「もうだいぶ前から一度寄ろうと思っていたんですよ。たまたま近くを通りかかったので、五分くらいお邪魔してもいいかなと思いましてね。
どこかへお出かけのところでしたか? それならお引き留めはしません。ただ、煙草を一本吸わせていただければ……ダメでしょうか?」
「どうぞ、お座りください。ポルフィーリイ・ペトローヴィッチ」ラスコーリニコフは、もし自分を客観的に見ることができたら自分で驚くほど、わざとらしく親しげな様子で客に席を勧めた。
それは、まるで瓶の底に残った滓(かす)までかき集めるような、必死の努力だった。人はよく、強盗に刃を突きつけられて死を覚悟するような極限の時間を、こうして持ちこたえるものだ。
喉元に刃を押し当てられたら、かえって恐怖を通り越して冷静になれることもある。彼は真っ直ぐにポルフィーリイの正面に腰を下ろし、まばたき一つせず相手を見つめた。
ポルフィーリイは目を細め、煙草に火をつけた。
『さあ、言ってみろ。言ってみろよ』まるでそんな言葉が、ラスコーリニコフの心臓から飛び出しそうになっていた。
『なぜだ、なぜ何も言わないんだ?』

「いやあ、実際この煙草というやつは!」一本吸い終えて息をつきながら、ようやくポルフィーリイが口を開いた。
「毒ですよ、まさに毒だ。ところが、どうしてもやめられないんですから困ったものです! 咳は出るし、喉はイガイガするし、ぜんそくの気まである。
私は臆病なものでしてね、この間もB医師のところへ診察を受けに行ったんですよ。あいつは患者一人につき最低でも三十分は診るという念の入れようでね。私の顔を見るなり笑い出しましたよ。
体を叩いたり聴診器を当てたりして――『あなたは特に煙草がよくない。肺が弱っている』なんて言うんです。
そう言われても、どうしてやめられましょう? 代わりに何をしろと言うんです? 酒を飲まないものですから、本当に困ってしまうんですよ。へ、へ、へ、飲めないというのが不幸なんですなあ! 何事もすべて相対的なものですよ、ロジオン・ロマーヌイチ。すべては相対的なんです」

『いったい何を言っているんだ。またあのお役人風の、決まりきった世間話から始めるつもりか!』ラスコーリニコフは強烈な嫌悪感を覚えながら考えた。
前回の会見の記憶が、細かな部分まで瞬時に蘇った。
あの時抱いた感情が、波のように心臓へと押し寄せてくる。
「実は一昨日の夕方にも、一度お伺いしたんですよ。ご存じありませんでしたか?」
ポルフィーリイは部屋の中をじろじろと見回しながら、言葉を続けた。「部屋の中へ、この部屋の中へ入ったんですよ。
今日みたいにたまたま近くを通りかかったので、『ちょっと顔を出してみようかな』と思いましてね。
入ってみたら、ドアが開けっ放しになっている。
だから様子を見てしばらく待っていたんですが、女中にも声をかけず、そのまま出てしまったんです。
鍵はかけないんですか?」

ラスコーリニコフの顔が、いよいよ暗く沈んでいく。
ポルフィーリイは彼の心の内を見透かしたように、「実はね、お話しをつけにきたんですよ、ロジオン・ロマーヌイチ。お話しをね! 私にはあなたに対して、きちんとお話しをする義務と責任があるんです」と微笑みながら続け、軽く手でラスコーリニコフの膝をポンと叩いた。

しかし、その直後だった。彼の顔からは笑みが消え、真剣でどこか不安げな表情に変わった。

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