初級翻訳・罪と罰 第173話

ドストエフスキー

「ねえ、ソーニャ」と、ふいに彼はある感激に打たれたかのように話し始めました。
「ねえ、僕がこれから何を言おうとしているか、わかるかい。もし僕が飢えに苦しんで人殺しをしたのなら」彼は一語一語に力を込め、まるで謎かけでもするように、それでいて真剣な眼差しで彼女を見つめながら続けました。
「それなら今ごろ、僕は……どんなに幸福だったことか! いいかい、そのことをよく覚えておいてくれ。それに、そんなことがお前にとって一体なんになるっていうんだ」と、次の瞬間、彼は一種の絶望を響かせながら叫びました。
「ねえ、僕が今、悪いことをしたと懺悔したからって、それがお前にとって何の意味があるっていうんだ? ああ、ソーニャ、僕はそんなことを言いに、今お前のところへ来たんじゃない!」

ソーニャは何か言い返そうとしましたが、やはり沈黙を守りました。

「昨日僕がお前に、一緒に行ってくれと頼んだのは、僕にはもうお前よりほかに誰も残っていないからなんだ」
「どこへ行くんですか?」とソーニャが問い返しました。
「泥棒をするためでも、人を殺すためでもないから、心配しなくていいよ。そんなことじゃないんだ」と彼は皮肉っぽくニヤリと笑いました。
「僕ら二人は、まったく別の人間なんだからね……。それにしてもソーニャ、僕は今、たった今、昨日お前をどこへ連れて行こうと言ったのか、ようやくわかったよ! 昨日そう言った時、僕自身ですらどこへ行くつもりなのかわかっていなかったんだ。僕が頼んだのも、ここへやって来たのも、目的はただひとつ。お前、僕を見捨てないでくれ。見捨てないでくれるね、ソーニャ?」

彼女は彼の両手を固く握りしめました。

『ああ、なぜ、なぜ僕はこんなことをこの女に言ってしまったんだろう。なぜ打ち明けてしまったんだ!』
限りない苦悩を抱いて彼女を見つめながら、彼はしばらくして、絶望したように叫びました。
「現に今、お前は僕の説明を待っているだろう。ねえソーニャ、お前はじっと座って待っている、僕にはそれがよくわかるよ。だが、僕はお前に何を言えばいいんだ? お前にはこの問題なんて何もわからないだろうに、ただただ苦しむばかりだ……僕のために! ねえ、ほら、お前は泣きながらまた僕を抱きしめる――ええ、一体なんのために僕を抱きしめるんだ? まさか僕が自分の苦しみに耐えきれなくなって、『お前も苦しむがいい、僕が楽になるから!』とばかりに、自分の苦しみを他人の肩に押し付けに来た、そのお礼でもないだろう? 一体お前は、こんな卑劣な人間を愛することができるのか?」

「だって、あなただって同じように苦しんでいらっしゃるのではありませんか!」とソーニャは叫びました。
またしても彼の胸には、さっきと同じ愛情が波のように押し寄せ、一瞬だけ彼の心を優しく溶かしました。

「ソーニャ、僕の心には毒が回っているんだ。お前、それには気をつけてくれ。いろんなことが、これで説明がつくんだから。僕は毒を抱えた人間だから、こうしてやって来たんだ。中には、わざわざこんなところへは来ない連中もいるだろう。だが、僕は臆病者で……卑劣な人間なんだ! だが……もうどうでもいい! こんなことはみな見当違いだ……今こそ話さなくちゃいけないんだが、僕にはどうもうまく切り出せない……」

彼は言葉を切って、考え込みました。

「ああ、やっぱり僕ら二人は別々の人間なんだ!」と彼は再び叫びました。
「どうしても一つにはなれない。一体全体、なんでここへやって来たんだろう! このことが自分でも許しがたいんだ!」
「いいえ、いいえ、来てくださったのは良いことですわ!」とソーニャは叫びました。
「そうやってわたしが知っている方がいいんですもの。ずっとその方がいいんですわ!」

彼は苦痛に満ちた表情で彼女を見つめました。

「いや、そりゃ本当だ!」と、彼は十分に考え抜いたという様子で言いました。
「まったくその通りなんだよ。つまりこういうことだ。僕はナポレオンになりたかった、そのために人を殺したんだ……ええ、これでわかるかい?」
「い、いいえ」とソーニャは無邪気に、そしておずおずとささやきました。
「だけど……言って、教えてちょうだい。わたしわかるわ、心の奥底でわかる気がするの!」と彼女は一心に頼みました。
「わかるって? いや、よろしい、一つ試してみよう!」

彼は口を閉ざし、長いこと考えを練っていました。

「実はこういうわけなんだ。ある時、僕は自分にこんな問いを立ててみた。たとえば、僕の場所にナポレオンがいたとしよう。そして、その立身出世の道を開くのに、ツーロンの戦いも、エジプト遠征も、モン・ブラン越えのような美しい偉大な出来事も何もなく、ただ滑稽な十四等官の老婆が一人いるだけだとしたら……」しかもそのうえ、あの老婆の長持から金を奪い取るために(立身出世の道を開くためだよ、わかるかい?)彼女を殺さなきゃならないとしたら――それ以外に方法がないとしたら、彼はそれを実行しただろうか? それが、あまりにちっぽけで、そして……そして罪深いことだからといって、ためらったりしただろうか? ねえ、そこで、いいかい、僕はその『問題』について、うんと長いあいだ悩み抜いたんだ。
それでやっと(ふいに何かの拍子に)、ナポレオンならこんなことでためらうどころか、それがちっぽけなことだなんて夢にも思わなかったろう……いや、そこに何をためらう理由があるのか、それさえまるでわからなかったに違いない、とこう考えついたときには、僕はむしょうに恥ずかしくなったくらいさ。
もしほかに道がないとすれば、彼はもちろんいっさい何も考え込んだりせず、きゅっという暇もないうちに絞め殺してしまったに決まっている! そこで僕も……考え込むのをやめて……絞め殺したんだ……偉大な権威者の例にならってさ。
これは実際、そのとおりだったんだ! お前、おかしいかい? そうだ、ソーニャ、ここで何よりおかしいのは、これがまったくそのとおりだっていうことなんだよ……」

ソーニャにとって、それはおかしいどころの話ではなかった。

「あなた、そんなことより、ありのままを話してくださいな……たとえ話なんか抜きにして」彼女はますますおびえて、やっと聞こえるくらいの声で頼んだ。

彼はそちらへ向き直り、沈んだ目つきで彼女の顔をじっと見つめると、その両手を握りしめた。

「そうだ、今度もまたお前の言う通りだ、ソーニャ。
これはみんな馬鹿げたことだ。
ほとんどただのおしゃべりにすぎない! 実はね、お前も知っているだろうが、僕の母さんはほとんど無一文なんだ。
妹はほんの偶然で教育を受けることができたから、よその家庭教師などをして回らなきゃならないという仕合せな身の上なんだよ。
二人の望みは、すっかり僕一人にかかっていたわけだ。
僕は勉強していたんだけど、大学の学費が払えなくなって、退学しなくちゃならなくなったんだよ。

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