初級翻訳・罪と罰 第225話

ドストエフスキー

すると、出口のすぐそばに、死人のように真っ青な顔をしたソーニャが立っていて、言葉では言い表せないような恐ろしい目つきで彼を見つめていました。彼は彼女の前で立ち止まりました。ソーニャの顔には、何か悲痛で、悩み抜いたような表情が浮かんでいます。それは、すべてをあきらめたような絶望の表情でした。彼女は突然、両手をパチンと打ち合わせました。

ラスコーリニコフの唇には、ひどく情けなく、途方に暮れたような笑みが浮かびました。彼はしばらくそこに立っていましたが、やがてニタリと笑うと、再び階上の警察へと引き返していきました。

イリヤー・ペトローヴィッチはどっしりと座り込み、書類を整理していました。彼の前には、さきほど階段ですれ違ったばかりの百姓の男が立っていました。

「おや、おや! あなたはまたどうしたんです? 何か忘れ物でもしたのかな?……それにしても、顔色がひどいですよ。どうしたんですか?」

ラスコーリニコフは血の気のない唇を固く結び、目をじっと見開いたまま、静かに彼の方へ近づきました。テーブルのすぐそばまで行くと、そこに片手をついて何かを言おうとしましたが、言葉が出てきません。口からは、意味のない音が漏れるだけでした。

「気分が悪いんですね! おい、椅子を! さあ、そこに座りなさい! 誰か、水を!」

ラスコーリニコフは椅子にぐったりと腰を下ろしましたが、火薬中尉(イリヤー・ペトローヴィッチ)の、ひどく驚き戸惑った顔から目を離すことができませんでした。二人は一分間ほど、互いの顔を見つめ合いました。やがて水が運ばれてきました。

「あれは僕が……」とラスコーリニコフが言いかけました。
「まずは水を飲みなさい」

ラスコーリニコフは差し出された水を片手で押しやり、低い声で、一語一語を区切りながら、はっきりとこう言いました。

「あれは僕が……あの時、質屋のお婆さんと、妹のリザヴェータを斧で殺して、金や品物を奪ったのです」

イリヤー・ペトローヴィッチは、あんぐりと口を開けて驚きました。周りにいた人たちが、わらわらと集まってきます。ラスコーリニコフは、自分の犯した罪をもう一度繰り返しました……。

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エピローグ

シベリア。
広大な大河のほとりに、ロシアの行政の中心地の一つとなっている街があります。街には要塞があり、その中に監獄がありました。その監獄に、第二級の囚人としてロジオン・ラスコーリニコフが収容されてから、もう九か月が過ぎていました。彼が罪を犯してから、およそ一年半の月日が流れたことになります。

彼の裁判は、特に大きな混乱もなく終わりました。犯人である彼は、わざと話をややこしくしたり、自分に有利になるよう嘘をついたりすることもありませんでした。どんなに小さなことでも忘れず、はっきりと自分の犯行を認めたのです。

彼は殺人の全過程を、一分一厘も漏らさず詳しく話しました。殺された老婆の手から見つかった質物(薄い金が挟まれた板切れ)の秘密も打ち明けました。老婆から鍵を奪い取った様子や、その鍵の形、長持の中身についても細かく説明しました。それどころか、中にあった品物を二つ三つと数え上げるほどでした。

さらに、リザヴェータを殺した時の状況や、コッホがドアを叩きに来たこと、その後から大学生がやって来て二人が何を話していたかまでを語りました。階段を駆けおりたこと、ミコールカとミーチカの叫び声を聞いたこと、空き部屋に隠れてから家に帰った一部始終を述べ、最後にヴォズネセンスキイ通りの邸宅の門の下に、盗んだ物を隠した場所まで明かしました。

実際にその場所を掘り返すと、奪った品物や財布が見つかりました。一言でいえば、事件はすべて明らかになったのです。

特に予審判事や裁判官たちは、彼が奪った金や品物を一度も使わず、ただ石の下に隠していたことに驚きました。しかしそれ以上に、彼が自分が盗んだ品物の詳細を把握しておらず、その数すら間違えていたことに、皆は深く驚かされました。

彼が一度も財布の中身を確認せず、いくら金が入っているのかさえ知らなかったことは、普通では考えられないことだったのです(財布の中には三百十七ルーブリの紙幣と、二十カペイカの銀貨が三枚入っていました。長い間石の下に隠されていたため、上にあった大きな紙幣の二、三枚はひどく傷んでいました)。ほかのことは細かいところまで進んで正直に話しているのに、なぜかラスコーリニコフは、この「金入れの中身をのぞかなかった」という点だけは、頑固にうそをつき続けました。周りの人たちは、どうして彼がそこまでうそをつくのか、その理由を突き止めるのにとても苦労しました。

結局、心理学者をはじめとする専門家たちは、「彼が実際に金入れの中をのぞかず、中身が何かも知らないまま石の下に隠してしまった」ということは、ありえる話だと認めました。しかし同時に、「犯行そのものが、一時的な心の病気によるもので、お金を盗むこと自体が目的ではなかったのだ」という結論に達しました。つまり、強盗殺人というよりも、心が病んでしまった結果の行動だというわけです。

ちょうどその頃、犯罪者を判断するにあたって「犯行時は心が正常ではなかった」とする考え方が流行しており、この理論が彼を助けることになりました。

さらに、ラスコーリニコフが以前から少し心の病を抱えていたことは、医者のゾシーモフや大学時代の友達、下宿のおかみさん、女中さんなど、多くの人が証言してくれたおかげで、確実に証明されました。

こうしたすべての事情は、「ラスコーリニコフは、ただの強盗や殺人犯とはまったく違う、何か特別な事情を抱えた人間である」という結論を出すために、とても大きな役割を果たしました。

ただ、この意見に賛成した人たちが一番残念に思ったのは、彼自身がほとんど自分を弁護しようとしなかったことです。

「なぜ殺人を犯したのか? なぜ盗みをしたのか?」という裁判官からの最後の質問に対し、彼ははっきりと、それどころか少し乱暴に感じるくらい正直にこう答えました。「すべては貧しさのせいだ。生活が苦しくて、もうどうにもならなかった。老婆を殺して手に入るはずの三千ルーブリを元手にして、なんとか成功の第一歩を踏み出そうと思ったのだ」と。

そして、殺人を決心したのは、自分の気が弱かったことに加えて、貧しさでイライラが積み重なっていたからだと言いました。

では、なぜ自首したのかという問いには、心からの反省だと短く答えました。
彼の態度は、それくらい無造作で、あっさりしたものでした。

とはいえ、裁判の判決は、みんなが予想していたよりもずっと軽いものでした。
それは、彼が言い訳をしなかったどころか、逆に自分から罪を重くしようとするような態度を見せたからです。

また、この事件特有の不思議な点も、すべて考慮されました。
犯行前の彼の心が病んでいたことには、誰も疑いを持ちませんでした。
彼が盗んだ品物を一度も使わなかった事実は、「少しずつ反省の気持ちが芽生えていたからだ」とか、「犯行当時、彼の頭は正常ではなかったからだ」と判断されました。

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