初級翻訳・罪と罰 第91話

ドストエフスキー

彼はまるで義務でも果たすかのように、気が乗らない様子でしぶしぶ口を開きましたが、その振る舞いからは、どこか妙に落ち着かない気持ちが伝わってきました。
もしこの時、彼が手に包帯を巻いているか、指に厚手のサックでもはめていれば、「指がうんでひどく痛むんだ」とか「手をどこかにぶつけたんだ」といった具合に、体に不調を抱えている人にそっくりそのまま見えたことでしょう。
もっとも、この青ざめた気難しい顔も、母と妹が入ってきた瞬間だけは、まるで何かの光に照らされたかのように見えましたが、それもつかの間、かえって前の悩ましげで放心した表情に、いっそう濃い苦悶の影を落とすだけでした。
光はすぐに消え、苦しみだけが残りました。
治療を始めたばかりの医者に特有の、若々しく熱心な態度で患者を観察し、研究していたゾシーモフは、肉親との再会を喜ぶどころか、これから一、二時間というもの、逃れられない拷問を耐え抜こうとする、患者の秘めた重苦しい覚悟の色を見て驚きました。
それからしばらくして、会話の一語一句が、患者が隠している傷口に触れ、それをかき回しているように見えることにも気づきました。しかし同時に、昨日はちょっとした言葉の端にも、ほとんど気が狂いそうなほど興奮していたあの偏執的な姿に比べ、今日はよく自分をコントロールして感情を隠し通す様子に、ゾシーモフはかなり驚かされたのです。

「ええ、もう自分でも、ほとんど全快したのが分かりますよ」
ラスコーリニコフは、母と妹に愛想よくキスをしながら言いました。
その一言で、プリヘーリヤの顔は見る間に明るく輝きました。
「しかも、これは昨日のような、ただの言葉だけじゃありませんよ」
彼はラズーミヒンの方を向き、親しげにその手を握りながら、こう付け加えました。
「いやあ、私も今日はこの人を見て、面食らってしまったくらいですよ」
十分ほどの間、患者との会話に糸口を失っていたゾシーモフは、三人が入ってきたことに大喜びで言いました。
「この調子でいけば、三、四日後には、それこそすっかり元の通りになりますよ。
つまり一ヶ月前、いや二ヶ月……いや、三ヶ月前と言った方がいいかな? だって、この病気はだいぶ前から兆候があって、潜伏期間が長かったですからね……。ねえ、どうです? 今となっては白状なさい。もしかしたら、君自身にも責任があるんじゃないですか?」
まだ何かで患者をいら立たせてしまわないかと心配しつつ、彼は用心深い微笑を浮かべて付け加えました。
「おそらく、そうかもしれませんね」
ラスコーリニコフは冷ややかに答えました。
「私もその意味で言っているんですよ」
自分の手応えに味をしめて、ゾシーモフは言葉を続けました。
「これから君が完全に回復できるかどうかは、ひとえに君の心の持ちよう次第なんですよ。
今こうして君と話してみると、ぜひこれだけはよく分かっていただかなきゃならない――つまり、君の病気を引き起こした一番の、いわば根本的な原因を取り除かなければならないということです。
そうすれば本当に元気になれます。
でも、さもなければ、かえって悪くなってしまいますからね。
その根本的な原因というのが私には分かりませんが、君にはよく分かっているはずです。
君は賢い人ですから、もちろん、自分自身のことをよく観察しているでしょう。
私が見る限り、君の体調が悪くなり始めたのは、大学を辞めた時期と重なっています。
君は、何か仕事をしていないといけませんよ」ですから、きちんと決まった仕事をして、将来に向けてしっかりとした目標を持つことが、君にとっては一番の薬になるはずですよ」

「そうですね。そうです。おっしゃる通りです……そのうちに、僕もなるべく早く大学へ復学しましょう。そうすれば万事……とんとん拍子にうまくいくはずです……」

一つには婦人たちの前でいいところを見せようという魂胆もあって、こうして賢明な忠告を始めたゾシーモフでしたが、話を終えて聞き手の顔をちらりと見てみると、そこにはあからさまな嘲笑(ちょうしょう)の色が浮かんでいました。彼は少しばかり面食らって、出鼻をくじかれたような形になりました。

とはいえ、それはほんの一瞬のことでした。
プリヘーリヤはすぐさまゾシーモフに感謝の言葉を述べ、特に昨日の夜中、下宿までわざわざ来てくれたことに対して、丁寧にお礼を伝え始めました。

「えっ、この人が夜中に訪ねてきたんですって?」とラスコーリニコフは、はっとしたような様子で尋ねました。
「すると、お母さんたちは旅の疲れもあって、ろくに寝ていなかったんじゃないですか?」

「いいえ、そんなことはないよ、ロージャ。ほんの二時ごろまでの話なんだから。家にいた時だって、私やドゥーニャが二時より早く寝たことなんて、めったにないんだからね」

「僕もやはり、この人(ゾシーモフ)にどうやってお礼をしたらいいのか分かりません」とラスコーリニコフは急に眉をひそめ、うつむきながら言葉を続けました。
「金銭的なことは別として――こんなことを口にするのは失礼ですが(と彼はゾシーモフの方を向き)、僕はどうしてあなたから、これほど特別なご親切をいただけるのか、どうしても納得がいかないんです。ただもう、分からないんですよ……だから……だから、そのご親切が苦しいくらいです。だって、あまりに不可解ですからね。遠慮なしにはっきり言わせてもらいますよ」

「まあ、そんなにいらいらしないでください」とゾシーモフは無理に苦笑いを浮かべました。
「まあ、君が僕にとって初めての患者だとでも思ってくださいよ。全く、開業したばかりの私たち医者の仲間は、最初の患者をわが子のように可愛がるものですからね。中には、ほとんど惚れ込んでしまうような奴もいるくらいですよ。何しろ、僕もまだ患者が山ほどいるわけじゃないですからね」

「あの男のことは、今さら言っても仕方がありません」ラスコーリニコフはラズーミヒンを指差して付け加えました。
「あの男は、僕から怒鳴られたり迷惑をかけられたりしたこと以外、何一つ受け取ったことがないというのに」

「何を馬鹿なことを言っているんだ! 君は今日はセンチメンタルな気分にでもなっているのかい?」とラズーミヒンは声を張り上げました。
しかし、もし彼にもう少し鋭い観察力があれば、それは決してセンチメンタルな気分などではなく、むしろその正反対のものだと気づいたはずです。
ところが、アヴドーチャはそれに気づいていました。彼女は不安そうに、じっと兄を見つめていたのです。

「お母さん、あなたのことに関しては、僕はもう申し訳ないという言葉すら見つからないくらいです」まるで朝から暗記した宿題を読み上げるような口調で、彼は言葉を続けました。
「僕は今日になってようやく、お母さんたちが昨日ここで、どんなにか気をもみながら僕の帰りを待っていたのか、少しは分かったような気がしています」そう言いながら、彼は突然黙り込み、ほのかに微笑んで妹に手を差し伸べました。

この微笑みの中には、今度こそ作り物ではない、真実の感情が宿っていました。
ドゥーニャはすぐさま差し出された手を握り、これ以上ないほど嬉しそうに、感謝の熱意を込めて強く握り返しました。

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