初級翻訳・罪と罰 第95話

ドストエフスキー

もうしばらくすると、この再会も、三年ぶりに会った肉親という関係も、そして本来なら語り合うはずのない今のこの状況で使われている、親しげな態度も――すべてが彼にとって、ついに我慢できないものになってしまうに違いありませんでした。

それでも、まだ一つだけ、どうしても避けて通れない問題が残っていました。
それは、何が何でも今日中に決着をつけなければならないことでした。目が覚めた時から、ずっとそう決めていたのです。
今、その問題を思い出した彼は、まるで逃げ道を見つけたかのように喜びました。

「ねえ、ドゥーニャ」
彼はまじめで、そっけない調子で切り出しました。
「昨日のことはもちろん僕があやまるけれど、根本的な考えは絶対に譲るつもりはないから、それだけは自分の義務として、もう一度はっきり言っておくよ。僕か、ルージンか。どちらか一人だ。僕は卑劣な人間になっても構わないけれど、お前はそうじゃいけない。どっちか一人にしろ。もしお前がルージンのところへ行くなら、僕はその瞬間からお前を妹だとは思わないからな」

「ロージャ、ロージャ、そんな……! お前、昨日と全く同じことを言っているじゃないの!」
プリヘーリヤは悲しそうに叫びました。
「どうしてそんなに自分を卑劣だなんて言うの、聞いていられないわ! 昨日だってそうだったのに……」

「兄さん」
ドゥーニャは兄と同じくそっけない調子で、きっぱりと答えました。
「この件に関しては、兄さんの方が間違っています。わたしは昨夜一晩中考えてみて、その間違いに気づいたの。問題はこうよ。兄さんは、わたしが誰かのために自分を犠牲にしていると想像しているみたいだけど、そんなことは絶対にないわ。わたしは、自分のために結婚するの。だって、今のままじゃわたし自身が苦しいからよ。もちろん、そのうえで家族の助けになれるならうれしいけれど、それが結婚を決めた根本の理由じゃありません……」

(嘘をついている!)
彼はムカムカしながら爪をかじり、心の中で思いました。
(気位の高い女だ! 恩を着せたいくせに、本音を言うのが嫌なんだ。つまり高慢なんだよ! ああ、なんてみんな卑劣な根性なんだろう! やつらの愛は、まるで憎み合っているような愛だ……ああ、おれは本当に……やつらが憎くてたまらない!)

「一口に言えば、わたしはピョートル・ペトローヴィッチと結婚します」
ドゥーネチカは言葉を続けました。
「理由は、つらいことが二つあるなら、少しでもマシな方を選びたいからよ。わたしはあの人が期待していることを、何もかも忠実に守るつもりだから、あの人をだますことにはならないわ……兄さん、どうして今、ニヤニヤ笑ったの?」
彼女も同じようにカッとなって、その瞳に怒りの炎が宿りました。

「何もかも守るだって?」
嫌味な薄笑いを浮かべながら、彼は言い返しました。

「ある程度まではね。ピョートル・ペトローヴィッチの求婚の仕方を見ていれば、あの人が何を求めているのか、すぐにわかったわ。あの人は自分自身を高く評価しすぎているかもしれない。でもその代わり、わたしも相当に認めてくれるだろうと期待しているの……何をまた笑っているの?」

「お前はまたどうして赤くなっているんだい? 嘘をついているな。わざと嘘をついているんだ。ただ女らしい意地っ張りで、おれに負けたくないだけだろう……お前はルージンを尊敬することなんて絶対にできない。僕はあの男と会って、話もしたんだ。つまりお前は金のために自分を売るんだ。結局のところ、それは卑劣な行為だよ」「僕はね、お前が少なくともまだ赤くなれる、それだけでも喜んでいるよ!」
「そんなことないわ、嘘なんか言やしません!……」ドゥーネチカはしだいに冷静さを失いながら、こう叫びました。
「わたしだって、あの人がわたしを認めてもくれ、大切にもしてくれると確信しなかったら、結婚なんかしやしませんわ。
またわたし自身も、あの人を尊敬できるという確信がなかったら、けっして結婚なんかするものですか。
幸いわたしは、今日さっそくその確信を得ることができるんですの。
こうした結婚は兄さんのおっしゃるような卑劣なことじゃありませんわ! また、たとい兄さんのおっしゃることが本当で、わたしが全く卑劣な決心をしたのだとしても――そうまでにおっしゃるのは、兄さんとしてもあまり残酷じゃなくって? なんだって兄さんは自分にもない……かもしれないような勇気を、わたしに要求なさるんですの? それはあまり横暴だわ、圧制だわ! もしわたしが誰か他人の一生を破滅させるとでもいうのならともかく、ただわたし自身の事じゃないの。
わたしはまだ人を殺したことなんかなくってよ!……なんだってそんな目をしてわたしをごらんになるの? どうしてそんなに真っ青になるの? ロージャ、どうしたの? ロージャ、兄さんてば……」

「ああ、どうしよう! また気絶してしまった!」とプリヘーリヤは叫びました。
「いや、いや……くだらない、なんでもありゃしない!……少しめまいがしただけで、気絶でもなんでもありゃしません……気絶気絶って一つ覚えみたいに!……ふむ! そこでと……何を言うつもりだったっけ? そうだ。
お前は今日にもさっそく、お前があの男を尊敬することができ、あの男が……お前を認めてくれてるという確信を得ると言ったが、いったいそりゃどういうわけだい? ねえ、そう言ったろう? お前は確かに今日と言ったようだが? それとも僕の聞き違えだったか?」

「お母さん、兄さんにピョートル・ペトローヴィッチの手紙を見せてあげてくださいな」とドゥーネチカは言いました。
プリヘーリヤは震える手で手紙を渡しました。
彼は非常な好奇心をもってそれを受け取りましたが、広げて見る前に、突然何かに驚いたような顔つきで、ドゥーネチカを見つめました。

「おかしい」突然何か新しい考えに打たれでもしたように、彼はゆっくりした語調で言いました。
「おれはなんだってこんなに気をもんでるんだろう? 何をこんなにわめいたり騒いだりしてるんだろう? 勝手に誰とでも好きな男と結婚するがいい!」
彼はひとり言のように言いましたが、声はかなり高くなっていました。
そしてしばらくの間、どぎもを抜かれたような顔をして、妹を見つめていました。
彼は依然として驚きの表情を残したまま、やっと手紙をひらきました。
それから、ゆっくりと注意深く読み始め、二度まで読み返しました。
プリヘーリヤはひどく不安に悩まされていました。
それにほかの者も、みんなある特殊なものを期待していました。

「これは驚いた」しばらく考えた後で、手紙を母親に返しながら、彼は誰に向かってともなく口を切りました。
「あの男は弁護士で、しじゅう裁判沙汰を扱ってるから、話だってやはり特別な……癖があるけれど――書く方となると、まるで無学ものじゃないか」
一座は少しざわざわとしました。
彼らはまるで違ったことを期待していたからです。

「だってああいう連中は、皆こんな風に書くんだよ」とラズーミヒンがきれぎれな声で口を挟みました。
「じゃ君は読んだのか!」
「うん」
「わたしたちがお目にかけたんだよ、ロージャ。

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