夏目漱石

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坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第14話

悪いことをしなければいいんでしょう」赤シャツは「ホホホホ」と笑った。別段、おれは笑われるようなことを言った覚えはない。今日この瞬間まで、自分のやり方でいいと固く信じている。よく考えてみると、世間の大部分の人間は、悪いことをすることを奨励して...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第13話

清はシワだらけの婆さんだが、どんなところへ連れて行っても恥ずかしいなんて気持ちは少しもしない。野だのような奴は、馬車に乗ろうが、船に乗ろうが、凌雲閣に登ろうが、到底一緒に歩けたものじゃない。もしおれが教頭で、赤シャツがおれだったら、きっとお...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第12話

「あの松を見たまえ、幹がまっすぐで、上が傘のように開いて、ターナーの絵にありそうだね」と赤シャツが野だに言うと、野だは、「全くターナーですね。どうもあの曲がり具合といったらありませんね。ターナーそっくりですよ」と心得顔だ。ターナーとは何のこ...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第11話

明後日勝てなければ、下宿から弁当を取り寄せて、勝つまでここに居座ってやる。俺はそう決心したので、廊下の真ん中にあぐらをかいて、夜が明けるのを待つことにした。蚊がぶんぶん飛んできたが、そんなものはどうでもいい。さっきぶつけた脛(すね)を撫でて...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第10話

いたずらだけして罰はご免被るなんていう下劣な根性が、どこの国で流行っていると思っているんだ。金を借りるだけ借りて、返すのはご免だなんて抜かす連中は、どうせ卒業したってそんな仕事に就くに決まっている。そもそも、中学校へ何をしに来ているんだ。学...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第9話

すると「何かご用ですか」と聞くから、「用じゃない、温泉に入るんだ」と答えて、さっさと出かけた。赤手拭を宿に忘れてきたのが残念だが、今日は先方で借りることにしよう。それからかなりゆっくりと、出たり入ったりして過ごし、ようやく日が暮れてきたから...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第8話

子供の頃からそんな教育を受けているから、ひねくれていて、植木鉢の楓みたいに小さくまとまった人間ができあがるんだ。無邪気なら一緒に笑ってやることもできるが、こいつらは違う。子供のくせに、変に毒気を含んでいる。俺は黙って「天麩羅」の文字を消すと...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第7話

あなたもお見受けしたところ、大分ご風流でいらっしゃるらしい。ひとつ道楽で始めてみてはいかがです?」と、とんでもない勧誘をしてくる。二年前、ある人の使いで帝国ホテルへ行った時は、錠前直しと間違えられたことがある。ケープを被って鎌倉の大仏を見物...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第6話

今日学校へ行って、みんなにあだ名をつけた。校長は狸、教頭は赤シャツ、英語教師はうらなり、数学は山嵐、画学はのだいこだ。今度またいろいろなことを書いてやる。さようなら」手紙を書き終えると、いい気持ちになって眠気がさしてきたので、さっきのように...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第5話

そんなに偉い人間が、月給四十円でわざわざこんな田舎まで来るものか。人間なんて、だいたい似たようなものだ。腹が立てば喧嘩の一つくらいは誰だってするだろうと思っていたが、この様子じゃ、めったに口も利けないし、散歩だって自由にはできない。そんな難...
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