まあ、警察に行けば適当な書き方を教えてくれますよ」
「実は、まさにそこが問題なんです」
ラスコーリニコフは、できるだけ困り果てたような表情を作りました。
「正直なところ、今はあまり持ち合わせがなくて……。そんなわずかな手数料さえ払う余裕がない始末でして。本当は、あれは自分の持ち物だという事実だけを伝えておいて、お金ができた時に引き取りたい……そう届け出たいだけなんですが」
「どちらでも同じことですよ」
ポルフィーリイは、ラスコーリニコフの苦しい台所事情の話など冷たく聞き流して、そう言いました。
「なんなら、直接私宛てに書面を出されても構いません。同じ意味になりますから。つまり『事件のことを聞いて、これこれの品が自分のものだと届け出るとともに、こういうお願いがある』という内容でね」
「それは、普通の紙に書いてもいいんでしょうか?」
ラスコーリニコフはまた懐のあたりを気にしながら、急いで言葉をさえぎりました。
「ええ、本当のありふれた紙で結構ですよ!」
そう言うと、ポルフィーリイは突然、相手を小馬鹿にするような様子で目を細め、パチリとまばたきをしました。
ほんの一瞬のことだったので、ラスコーリニコフの気のせいだったのかもしれません。しかし、少なくともそんな気配は確かにありました。
ラスコーリニコフは、なんのためかは分かりませんが、ポルフィーリイが自分に確かにウインクをした、と神に誓ってもいいほど確信しました。
(こいつ、知ってやがる!)
そんな考えが、電光石火の速さで頭をよぎりました。
「どうかご容赦ください、こんなくだらないことでお手数をかけまして」
彼は少ししどろもどろになりながら、言葉を続けました。
「私の品物なんて、せいぜい5ルーブル程度の価値しかないものですが、私にとっては、それをくれた人の形見として、特別に大切なんです。だから正直に告白すると、あの事件の話を聞いたとき、本当にぎょっとしてしまったんです……」
「なるほど、どうりで! 僕が昨日ゾシーモフに『ポルフィーリイが質屋の客を調べてるぞ』ってうっかり口をすべらせたとき、君がそんなにビクッとしたわけだ!」
ラズーミヒンが、含みのある口調で割り込んできました。
もう我慢の限界でした。
ラスコーリニコフはこらえきれず、怒りに燃える黒い目を毒々しく光らせて、彼をギロリとにらみつけました。
しかし、すぐにハッと我に返りました。
「また僕をからかうつもりだな!」
彼はわざとらしくイライラした様子を装って、ラズーミヒンの方を向きました。
「君から見れば、そんなくだらないもののために気をもみすぎだ、と言いたいんだろう。だが、だからといって僕をエゴイストだの、欲張りだのと言うのは筋違いだ。僕の身になってみれば、このつまらない二つの品だって決してくだらなくはないんだから。さっき言った通り、あの三文の値打ちもない銀時計は、父の形見として残った唯一の品なんだ。まあ、僕のことはいくらでも笑えばいい。でも、母がやって来たもんですから」
彼は突然、ポルフィーリイの方に向き直りました。
「もし母の耳に入ったら」わざと声を震わせるように努めながら、彼はまた急いでラズーミヒンの方へ向き直りました。
「あの時計がなくなったと知ったら、どんなに落胆することか! 女の人だからね!」
「いや、決してそんな意味じゃない! 僕はそんなつもりで言ったんじゃないんだ! 全く逆だよ!」
ラズーミヒンは、申し訳なさそうに叫びました。
(今のはうまくいったかな? 自然に聞こえただろうか? 大げさすぎはしなかったか?)
ラスコーリニコフは内心ひそかにはらはらしました。
(なぜ『女の人だから』なんて余計なことを言ったんだろう?)
「お母様がいらしているんですって?」
ポルフィーリイは、なぜか念を押すように聞き返しました。
「ええ」
「それはいつのことでしたか?」
「昨日の夕方です」
ポルフィーリイは何か考え込むように、しばらく黙っていました。
「あなたのその品物ですが、どんなことがあってもなくなるはずはありませんよ」
彼は落ち着き払って、冷ややかに続けました。
「何しろ私は、だいぶ前からあなたのおいでを待っていたんですからね」
彼はそう言いながら、何でもない様子で、容赦なくタバコの灰でじゅうたんを汚しているラズーミヒンの方へ、手際よく灰皿を差し出しました。
ラスコーリニコフは、ビクリと身をすくめました。しかし、ポルフィーリイは相変わらずラズーミヒンの煙草に気を取られていて、ラスコーリニコフのことなど目にも入っていない様子でした。
「なんだってえ? 待ってた! いったい君は知ってたのかい、この男があすこへ質を置いていたのを?」とラズーミヒンが叫びました。
ポルフィーリイは、しっかりとラスコーリニコフの方へ向き直りました。
「あなたの二つの品、指輪も時計も、あの女のところで一つの紙包みになっていましたよ。紙の上には、あなたの名前が鉛筆ではっきりと書いてありました。それから、あなたからその品を預かった日付も、同じようにね」
「あなたは、本当によく気がつきますね……!」ラスコーリニコフは、相手の目をまっすぐ見ようと努めながら、いかにも不自然な薄笑いを浮かべましたが、どうしても我慢しきれず、こう付け加えました。「僕がこんなことを言ったのは、つまり質に入れた人はたくさんいたでしょうに……それを全部記憶しておくのは大変だろうと思ったからなんです。ところがあなたは、それどころか一人ひとりのことをはっきりと覚えていて、そのうえ……そのうえ……」
(ばかげてる! 説得力がない! なんでこんな余計なことを言ったんだ!)
「なに、質に入れた人なんて、今ではもうだいたいみんな分かっていますよ。だから、今まで顔を見せなかったのは、あなた一人くらいなものです」
ポルフィーリイは、ようやく見えるか見えないかといった程度の嘲笑の影を浮かべて答えました。
「僕、少し気分がすぐれなかったものですから」
「それも承知していました。それどころか、何かでひどく頭を悩ませていたことも聞いています。今でもなんだか顔色が悪いようですね?」
「顔色なんてちっとも悪くありません……それどころか、すっかり健康ですよ!」ラスコーリニコフは急に調子を変えて、投げやりで刺々しい口調で、言葉を断ち切るように言いました。
怒りの感情が、彼の体内で煮えたぎりました。それを抑えることができません。
(腹を立てると、うっかり口をすべらせてしまうぞ!)そんな考えが再び頭をよぎりました。(だが、なぜ連中はこうも俺を苦しめるんだ!)
「少し気分がすぐれなかった?」ラズーミヒンが言葉の尻を捉えました。
「何をごまかしているんだ! つい昨日までほとんど意識不明でうわ言を言っていたくせに……ねえ、君、ポルフィーリイ、これって本当だと思うかい。やっと立っていられるかどうかの体調でいたはずなのに、昨日僕らが、僕とゾシーモフがちょっと目を離した隙に――その間に服を着て、そっと抜け出してさ、夜中ごろまでどこかしらほっつき歩いていたんだぜ。しかも君、まるっきり夢中だったんだからね。


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