自分の内輪話をするのはまだしも、困ったことに、夫の悪口を相手かまわず洗い立てるのが好きなので、あっという間にその出来事が町だけでなく、郡全体にすっかり知れ渡ってしまったのです。
私はとうとう病気になってしまいましたが、ドゥーネチカの方は私よりずっとしっかりしていました。あの子がどんなにじっと我慢して、わたしを慰めたり、励ましたりしてくれたか、ちょっとお前に見せてあげたいくらいです! あの子は本当に天使のような子なんです! でも、神様のお慈悲で、わたしたちはこの苦しみからようやく解放されることになりました。
ほかならぬスヴィドリガイロフ氏が考え直して、自分の罪を認めてくれたのです。きっとドゥーニャのことを可哀想に思ったのでしょう。彼は、マルファ・ペトローヴナに対して、ドゥーネチカの身の潔白を証明する、どうしても否定できない確かな証拠を突きつけたのです。
それは、マルファ・ペトローヴナが二人を庭で見つけるよりも前に、ドゥーニャが彼の強引な誘いや密談を断るために、やむを得ず書いて彼に渡していた手紙でした。その手紙は、ドゥーネチカが出発した後も、スヴィドリガイロフ氏の手元に残っていたのです。
この手紙は、マルファ・ペトローヴナに対する彼の道徳に反する行いを厳しく責め、人の親であり一家の主人でありながら、ただでさえ不幸せで頼りない娘を苦しめ、不幸に落とすのがどれほど卑劣な振る舞いであるかを、はっきりと指摘したもので、怒りに満ちた激しい文章でした。
ひとことで言えば、その手紙の書きぶりはいかにも健気でいじらしく、わたしは読みながらしゃくり上げて泣いてしまいました。今でも涙なしには読めないくらいです。
それだけではありません。最後には、こうした事件でよくあることですが、ドゥーニャの弁解を裏付けるように、召使いたちが本当のことを証言してくれました。彼らは、スヴィドリガイロフ氏が思っていたよりもずっと詳しく、すべてを知っていたのです。
マルファ・ペトローヴナはすっかり度肝を抜かれてしまいました。彼女自身がわたしたちに白状したように、まさに「二度も騙された」という気持ちだったのでしょう。
でもその代わり、彼女はドゥーネチカの無実を心底から信じ切って、さっそく翌日の日曜日のこと、いきなり町の中央公会堂へ駆け込むと、床に膝をつき、「どうかこの新しい試みに耐えて、自分の務めを果たすことができますように、力を与えてください」と、涙ながらに聖母マリア様へお祈りしたのです。
それが済むと、どこへも寄らずにまっすぐ家へ帰ってきて、わたしたちに一部始終を話したうえで、声を上げて泣き出すではありませんか。そして、心から後悔してドゥーニャを抱きしめ、許してくれと一生懸命に頼むのでした。
それから、明日を待たずにその日のうちに、一分も猶予することなく、家を出るとすぐその足で、街中の家を一軒一軒回り歩いて、涙を流しながらあの子の無実を証明し、ドゥーニャのためにこの上もない立派な言葉で、あの子の純粋な心と気高い行いをほめちぎりました。
そればかりか、ドゥーネチカからスヴィドリガイロフ氏に送った手紙まで人に見せて、声を上げて読み聞かせ、しまいには手紙の写しまで取らせたほどでした(これはわたしに言わせれば、少しやりすぎのように思えますが)。
そんなわけで、彼女は五、六日もぶっ続けで、街中の知り合いを回って歩かなければなりませんでした。中には「どこそこを先にした」などと気を悪くする人もいたので、とうとう順番を決めることになったのです。
そんな次第で、いついつにマルファ・ペトローヴナがどこそこでその手紙を読むということが、どこの家でも知れ渡り、みんなが心待ちにするようになりました。その朗読会のたびに、もう何度も自分の家や知り合いの家で順番に聞かされた人までが、また集まってくるほどでした。
わたしの考えでは、少しやりすぎだと思いますけれど、それがマルファ・ペトローヴナの性分なのです。
何はともあれ、ドゥーネチカの名誉だけは完璧に回復されました。そして、この事件の忌まわしい部分は、本当に元凶である夫のほうへ、決して消えない汚名として跳ね返っていったので、わたしはかえって彼が気の毒になったくらいです。気違いじみた人間とは言え、あまりに厳しく裁きすぎたような気がしますから。
ドゥーニャにはすぐに五、六軒の家から家庭教師に来てほしいと頼まれましたが、あの子は断りました。全体に、みんなが急にあの子に対して特別な敬意を払うようになりました。
けれど何よりも大切なのは、こうしたいろいろな出来事のおかげで、思いがけない話が持ち上がり、わたしたちの運が開けることになったという点です。
大切なわたしのロージャ、それはほかならぬ、ある人がドゥーニャに結婚を申し込んでくれて、ドゥーニャももう承諾の返事をしてしまったということ。それをお前にも大急ぎでお知らせするのです。
この話は、お前に相談もせずに決まってしまったことだけれど、きっとお前はわたしに対しても、ドゥーニャに対しても、文句はないはずだと思っています。というのも、今お話ししたような事情ですので、お前からの返事が届くのをのんびりと待ったり、先延ばしにしたりするわけにはいかなかったのです。それに、自分自身の目で確かめないことには、お前も物事を正しく判断することはできないでしょうからね。
事情はこういう次第なのです。そのお相手というのは、ピョートル・ペトローヴィッチ・ルージンという七等官の身分の人で、マルファ・ペトローヴナの遠い親戚にあたる方なのです。ですから、マルファ様もこの縁談について、いろいろと骨を折ってくださいました。
ご当人はマルファ様を通じて私たちと親しくなりたいと望まれたのが始まりで、私たちも失礼のないようにお招きして、コーヒーなどを振る舞いました。すると翌日、さっそく丁寧な手紙をくださって、結婚の申し込みを述べられ、できるだけ早く返事がほしいと申し越されたのです。その方はお仕事で大変忙しい身の上ですから、今もまさにペテルブルグへ急いで向かっているところなのです。そういうわけで、一分一秒も無駄にはできない状況でした。
最初はあまりに突然のことで、私たち二人とも本当にびっくりしてしまいました。その日は一日中、二人でいろいろと頭をひねって考えました。その人は頼りがいのある確かな人物で、二つの役職を掛け持ちしていて、すでにかなりの財産も築いているとのことです。
もちろん年は四十五歳ですが、なかなか男前ですし、まだまだ女性に好かれるだろうと思います。それに全体として、非常にどっしりとした立派な人物です。ただ、少し気難しいところや高慢そうなところはありますが、これは初対面でそう見えただけかもしれません。
ですから、お前にも前もって言っておきますが、ペテルブルグでその人と会った時(ごく近いうちのことだと思います)、もし第一印象で何か変だなと感じることがあっても、いつものお前の癖で、あまり早急に性急な判断をしないでほしいと願っています。あの方なら、きっとお前にも良い印象を与えるはずだと信じていますが、念のためにお伝えしておきます。
それだけではありません。
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