ドストエフスキー

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初級翻訳・罪と罰 第212話

彼は全身ずぶ濡れのまま、十一時二十分という遅い時間に、ヴァシーリエフスキイ島のマールイ通り三丁目にある、許嫁(いいなずけ)の両親の狭い住まいへ入っていったのです。彼はやたらに表の戸を叩いて、無理やり開けさせました。家族は一瞬、大パニックに陥...
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初級翻訳・罪と罰 第211話

十時近くなると、四方から恐ろしいほどの黒雲が押し寄せ、雷が轟音を立てて鳴り響き、雨が滝のように降り注いできた。水は一滴ずつ落ちるのではなく、つながった流れとなって大地を鞭打った。稲妻は絶え間なくひらめき、ぱっと明るくなるたびに、五つまで数を...
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初級翻訳・罪と罰 第210話

ドゥーニャは拳銃を下ろし、恐怖というよりも、何かしら理解しがたい疑念を抱いたような表情でスヴィドリガイロフを見つめていた。彼女は自分自身が何をしたのか、そして今どういう状況なのか、さっぱり分からない様子だった。「いやあ、射損じなら仕方がない...
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初級翻訳・罪と罰 第209話

「あけてください! あけてください!」彼女は両手でドアを激しくゆすぶり、誰にともなく助けを求めながら、扉越しにこう叫んだ。「あけてくださいったら! いったい誰かいないんですか!」スヴィドリガイロフは立ち上がり、我に返った。毒々しく嘲るような...
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初級翻訳・罪と罰 第208話

もともとロシア人というものは、アヴドーチャ・ロマーノヴナ、その国土と同じように広大で、幻想的でだらしのないことに引きずられやすい性質を、やたらに持っているのです。しかし、特別な天才でもないのに、ただ広大であるだけでは困りものですからね。あな...
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初級翻訳・罪と罰 第207話

「もしあなたがわたしのことを信じていないなら、どうしてひとりでこんなところへ来るなんて、命知らずな真似ができたんですか? いったい何のためにいらしたんです? ただの好奇心からですか?」「わたしを苦しめないで、言ってください、早く言ってくださ...
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初級翻訳・罪と罰 第206話

それに田舎でも、わたしがあなたに仕向けたことより、かえってあなたの方がずっとわたしをひどい目に遭わせたじゃありませんか。ところで、この件ですが……」「ソフィヤ・セミョーノヴナは、このことを知っているんですか?」「いや、あの人には何も話してい...
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初級翻訳・罪と罰 第205話

「わかりました(もっとも、あまり無理をなさらない方がいいですよ。もしなんなら、口数をお聞きにならなくても結構ですから)。わたしには、今あなたが悩んでいる問題がわかります。道徳的な問題でしょう? 市民として、人間としての問題でしょう? なに、...
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初級翻訳・罪と罰 第204話

あなたは多くのことを理解できるし、多くのことを……いや、それどころか、多くのことを実行することだってできる。しかし、まあ、もういいでしょう。十分にお話しできなかったのは非常に残念ですが、なに、わたしはけっしてあなたを逃がしはしませんから……...
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初級翻訳・罪と罰 第203話

贈り物なんて少しもいらないんです」と、誓うんですよ。ねえ、あんなふうに髪を環のようにちぢらせた、十六歳そこそこの天使みたいな娘から、顔を処女らしい羞恥の赤に染め、目に感激の涙をためながら、こんな告白を聞かされると、どんな気持ちになるか、およ...
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