室生 犀星 初級翻訳・後の日の童子 第2話 「病院の奥様からこの花をいただきました。もう枯れてしまいましたけれど」「水甕(みずがめ)に入れておきなさい。いつもよくしてくださるのね」いつの間にか、男の子は母親のそばに立っていました。背伸びをして、赤ちゃんを覗き込もうとしています。父親も... 室生 犀星後の日の童子
室生 犀星 初級翻訳・後の日の童子 第1話 一 夕暮れどきになると、一人の男の子が門の前に立ち、ペンキが剥げ落ちて読めなくなった表札の文字をじっと見つめていました。 植え込みの向こう側から見ると、その小さく黒い影は、まだ明かりの灯らない街灯の下で、裾がすぼまった寂しげな姿を地面に落と... 室生 犀星後の日の童子