楠山 正雄

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楠山 正雄

初級翻訳・魔法の笛 第2話

男はさっさと歩いて行き、笛の音はますます高く響き渡ります。子供たちはぞろぞろとその後を追っていきます。けれど、あぶない! やれあぶないぞ! 目の前には、あの大きなウェーゼル川が流れているのです。市長も議員も、まるで牛のように立ちすくみ、黙り...
楠山 正雄

初級翻訳・魔法の笛 第1話

ウェーゼル川の南岸に、静かで気楽なハメリンという町がありました。ところがいつの頃からか、町にはネズミがうようよと増えてしまいました。あちこちで「チュウチュウ」、ネズミたちの住みかはどこもかしこもネズミだらけ。ネズミたちは猫にまでかみつき、赤...
楠山 正雄

初級翻訳・鬼六 第1話

一 ある村の真ん中に、大きな川が流れていました。その川は流れがとても強く、速いので、昔から村の人たちがいくら橋をかけても、すぐに流されてしまっていたのです。村の人たちは困り果てて、都で有名な大工の名人を呼び寄せ、こんどこそ絶対に流れない、丈...
楠山 正雄

初級翻訳・青ひげ 第2話

ですから、表側の血を落としたかと思うと、それは裏側に、まるで染み出すように、さらに濃く浮かび上がってくるのでした。三すると、その日の夕方、青ひげがひょっこりと家に帰ってきました。まだ目的地まで行かないうちに、途中で用事が都合よく片付いたとい...
楠山 正雄

初級翻訳・青ひげ 第1話

一むかしむかし、あるところに、町にもいなかにも広い屋敷を構えた男が住んでいました。この男は、金の盆や銀のお皿を山のように持ち、部屋には豪華な飾りや美しい刺繍(ししゅう)がほどこされた椅子や机が並び、さらには総金塗りの馬車まで持っているという...
楠山 正雄

初級翻訳・雷のさずけもの 第1話

一 むかしむかし、尾張の国に一人の農夫が住んでいました。ある暑い夏の日、農夫が田んぼの様子を見回っていると、急に辺りが暗くなり、真っ黒な雲がわき上がってきました。すると雲の間からピカッ、ピカッと稲妻が走り出し、激しい雷がゴロゴロと鳴り響きま...
楠山 正雄

初級翻訳・鉢かつぎ 第3話

鉢かつぎはそれを見て涙を流しながら、これも亡くなったお母さまが、いつも長谷の観音さまを熱心に信じていたおかげに違いないと思い、もう一度西の方を向いて観音さまを拝みました。四こうなっては、もう「嫁合わせ」を恥ずかしがって屋敷を抜け出す必要もあ...
楠山 正雄

初級翻訳・鉢かつぎ 第2話

「参ってみますと、みんな隠れてしまいまして、あとに一人、このような不思議な姿の者が残っておりました」そう言って、鉢かつぎを中将にお目にかけると、中将は彼女を見て言いました。「まあ、その鉢を取ってやれ。一体誰なのか顔を見てやろう」家来たちが二...
楠山 正雄

初級翻訳・鉢かつぎ 第1話

一 むかしむかし、河内国(今の大阪府)の交野という所に、備中守実高というお侍が住んでいました。広い田んぼやたくさんのお金を持ち、美しい奥さんもいて、何不自由のない幸せな暮らしをしていましたが、たった一つだけ、どうしてもかなわない願いがありま...
楠山 正雄

初級翻訳・金太郎 第2話

そのとき、きこりは不意に窓からひょっこりと顔を出して、「こらこら、坊や! こんどはおじさんと相撲を取ろうじゃないか!」と言いながら、のこのこと家の中に入っていきました。そして、いきなり金太郎の前に自分の毛むくじゃらの手をぐっと差し出しました...
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