萩原 朔太郎 初級翻訳・青いゆき 第1話 青いゆき青いなあ。ゆきは、まっさおだ。ももの木にも、さくらの木にも、花は咲かない。青いこなゆきが、ひかりかがやく山のみちで、ずっと泣きつづけている。青いなあ。 萩原 朔太郎青いゆき
夏帽子 初級翻訳・夏帽子 第2話 私はそのずっと前から、自分を偽っている苦悩に耐えられなくなっていた。自分は一高の生徒でもなく、ましてや貴族の息子でもない。それなのに図々しく制帽を被り、いい気になって「若様」と呼ばれている。どんなに自分を正当化しようとしても、私は不良少年の... 夏帽子萩原 朔太郎
夏帽子 初級翻訳・夏帽子 第1話 若い頃というのは、誰でもくだらないことに熱中してしまうものだ。その頃、地方の高等学校に通っていた私は、毎年初夏の季節になると、決まって一つの情熱にとりつかれていた。それは何てことのない些細なことなのだが、ある「憧れの夏帽子」を被ってみたいと... 夏帽子萩原 朔太郎