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初級翻訳・少年 第7話

「やーい、お母さんって泣いてやがる!」保吉は次第に遠ざかる彼らの声を憎みながら、足元に舞い降りた無数の鳩にも目を向けず、長い間、すすり泣きをやめることができませんでした。保吉はそれ以来、この「お母さん」という言葉は、すべて川島くんがでっち上...
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初級翻訳・少年 第6話

陸軍大将の川島君は、回向院(えこういん)というお寺にある、濡れ仏さまの石段の前に立ち、自分の軍隊を点検していました。軍隊といっても、味方は保吉を含めてたった四人。金ボタンの制服を着ている保吉以外は、みんな紺色の小さな模様が入った着物を着てい...
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初級翻訳・少年 第5話

それから幻灯機の後ろの戸を開けて、そっとそのランプを機械の中へ入れました。七歳の保吉は、息をするのも忘れて、テーブルの前で腰をかがめている主人の手元をじっと見つめています。きれいに髪を左から分けている、不思議なほど顔色の青白い主人の手元を、...
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初級翻訳・少年 第4話

翼を長く広げたカモメの群れが、まるで猫のように「ニャア、ニャア」と鳴き交わしながら、海面を斜めに横切って飛んでいきました。あの船やカモメたちは、一体どこから来て、どこへ行ってしまうのでしょうか? 海はただ、何重にも重なった海苔(のり)を育て...
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初級翻訳・少年 第3話

三十年考えてみても、何一つまともに分からないというのは、もしかすると一生の幸福なのかもしれません。三 死これもその頃の話です。晩酌の膳に向かっていた父は、六兵衛の酒盃(さかずき)を手にしたまま、ふとした拍子にこう言いました。「とうとうおめで...
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初級翻訳・少年 第2話

少女もようやく、宣教師が笑った理由に気づいたのでしょうか。今は少しすねたような様子で、わざと足をぶらぶらさせています。「あなたはきっと、賢い奥さんに、そして優しいお母さんになることでしょう。ではお嬢さん、さようなら。私が降りる場所に着きまし...
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初級翻訳・少年 第1話

一 クリスマス去年のクリスマスの午後、堀川保吉(ほりかわやすきち)は須田町(すだちょう)の角から、新橋行きの乗合自動車に乗り込みました。席はなんとか確保できましたが、車内はいつものことながら、身動きひとつ取れないほどの満員です。それだけでな...
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