枯野抄 初級翻訳・枯野抄 第3話 最後に今日は、たった今まで、刻々と死に近づいていく師匠を、どこかその経過に興味でもあるかのような、観察者の目で眺めていたのです。もう一歩進んで皮肉に考えれば、もしかするとその眺め方の裏側には、いつか自分の手で書くことになるであろう「終焉記」... 枯野抄芥川 竜之介
枯野抄 初級翻訳・枯野抄 第2話 其角の次に羽根楊子を手にとったのは、木節から合図をされたときからずっと落ち着きを失っていた去来でした。日頃から「礼儀正しく謙虚だ」と評判の彼は、周りに軽く会釈をしてから、芭蕉の枕元にすり寄りました。しかし、そこに横たわる老俳諧師の衰えきった... 枯野抄芥川 竜之介
枯野抄 初級翻訳・枯野抄 第1話 丈艸(じょうそう)、去来(きょらい)を呼びなさい。昨夜からずっと目が覚めたまま、ふと心に浮かんだことがあってね。呑舟(どんしゅう)に書き取らせたから、みんなで読んでおくれ。「旅に病んで 夢は枯野を かけめぐる」――花屋日記――元禄七年、十月... 枯野抄芥川 竜之介