鈴木 三重吉

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鈴木 三重吉

初級翻訳・黄金鳥 第5話

ところが、いざ「命の水」をかけようとしたとき、瓶の中にはもう一滴の水も残っていませんでした。「あらあら、これではもうどうすることもできませんわ」と王女は言いました。王さまは、とうとうそのまま、本当の死骸となってしまいました。こうなると、あと...
鈴木 三重吉

初級翻訳・黄金鳥 第4話

王さまはすぐに王女と結婚しようとしましたが、王女は「自分のお城を王さまの御殿のそばへ持ってきてくれなければ結婚しない」と言い張りました。王さまはウイリイを呼び出し、「お前はなぜ、ついでにお城を持って帰らなかったのか。これから行ってすぐに持っ...
鈴木 三重吉

初級翻訳・黄金鳥 第3話

船はそれから、どんどん、どこまでも走り続け、ついに世界の果ての陸地へとたどり着きました。ウイリイは船から上がると、百台の車に百樽の肉とパンを積ませ、二百本の革綱をつけて、二百人の水夫たちに二人ずつで引かせて進んでいきました。すると、向こうの...
鈴木 三重吉

初級翻訳・黄金鳥 第2話

ウイリイは、すぐに、王さまの厩(うまや)の頭のところへ行って、「どうか私を使って下さいませんか。ただ私の馬の飼い葉さえいただければ、給料などは下さらなくともたくさんです」と言いました。そして馬丁として雇ってもらいました。ウイリイは厩頭から教...
鈴木 三重吉

初級翻訳・黄金鳥 第1話

一 あるところに、とても貧しい百姓の夫婦がいました。 二人のあいだには子どもがたくさんいて、ただでさえ苦しい暮らしだったのですが、そこにまた一人、男の子が生まれました。 ところが、あまりに家が貧しいため、だれもその子の名付け親になってくれよ...
鈴木 三重吉

初級翻訳・青い顔かけの勇士 第3話

」ミスはそう言われて、トゥロットの顔を、険しい目つきでじろりと見つめました。(私のことを馬鹿にしているのかしら?)いいえ、どうやらそうではなさそうです。トゥロットの、清らかに澄んだ二つの瞳には、皮肉なんてこれっぽっちも浮かんでいません。ミス...
鈴木 三重吉

初級翻訳・青い顔かけの勇士 第2話

ミスはその話でもってすっかり逆上して、トゥロットの手をぐんぐん引っ張って歩きます。と、そのうちにミスはふと立ち止まりました。ムキウス・スカエウォラは、暴虐な王を殺せなかったのを悔いて、自分に刑罰を加えるために、手を火の中につっこんで焼きまし...
鈴木 三重吉

初級翻訳・青い顔かけの勇士 第1話

一 トゥロットのお家は貴族で、お父さまは海軍の士官ですが、今は遠くの海へ航海に出ています。そのためトゥロットは、お母さまと女中のジャンヌたちと一緒に、海辺にある別荘で暮らしていました。 トゥロットにはイギリス人の家庭教師のミスがついていて、...
金魚

初級翻訳・金魚 第2話

それが、午後になってふと気がつくと、いつの間にか空は真っ青な雨上がりとなっていて、久しぶりに、黄色く生き生きとした日差しが、窓に迫った屋根瓦の黒い湿り気の上に差し込んでいました。よく見ると、そこには、下から覗き込んだ桐の木の梢、潤って重なり...
金魚

初級翻訳・金魚 第1話

街に金魚を売る声が聞こえる、五月の青々とした長雨の季節になると、しみじみとおふさのことばかりが思い出されます。今日も外では、蜘蛛の糸みたいな細い小雨がしとしとと降っています。金魚の鮮やかな赤色を思い浮かべるだけでも、なんだか胸が物寂しくなり...
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