親鳥子鳥

スポンサーリンク
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第42話

僕は代理の役目が終わったので、失礼して勉強部屋へと引き下がりました。その翌々日、絹子さんはお父さんと一緒に帰郷の途につきました。その前日に四谷へと往復したことがあったのは、言うまでもありません。僕は郁子と敏子を連れて東京駅へ見送りに行きまし...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第41話

「大変だな、この調子じゃ2000人を超えるぞ」と文一くんが言った。「当たり前さ。あと2日あるんだから、2500人くらいにはなるだろうね」「やれやれ、これじゃとても合格の見込みはないや。1825番か……まるで自動車のナンバープレートみたいだな...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第40話

向こうは意地悪でめんどくさい問題ばかり選んで出してくるんだから、こちらも――ほら、さっきの英語のコツと同じで、できるだけ自分の価値を高めて高く売りつけるのさ」と、芳夫さんは4月から先生になるというのに、今のところはまだ学生気質が抜けていない...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第39話

そのあとすぐ母がこちらへ様子を見に来て、やたらと勧めるもんだから、もうどうしようもなくてね」と、芳夫さんは男らしく白状した。だけど、僕に対して大人の威厳を保ちたいのか、言葉をかなりかっこよく言い換えている。「失敗したぶん印象が深く残った」な...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第38話

ありがとうございます。さようなら」 と、僕はなんだか面白おかしくなった。 それから一時間もしないうちに、玄関で声がした。 僕が部屋を出て行くと、芳夫さんはすでに茶の間に上がり込んでいて、「やあ源太郎さん、代数を見に来たよ」 と、あっちこっち...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第37話

明日、前歯を二枚すっかり削り取ってしまいますので、まるでいまはおばあさんのようになってしまいますから、義歯が――いいえ、総入れ歯じゃございませんわよ!あら、ひどいことをおっしゃる! 私だってまさか若い娘に総入れ歯なんてさせませんわ……もしも...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第36話

この間聞いてみたんですが、僕は三越に入るような悪い成績じゃなかったんです」「もともと進むべき道に進むんだから、今度はもう仕事を変えたりしないだろうね?」「もう動きませんよ。ところで叔父さん、あの短冊は叔父さんの句ですか?」と、ここで芳夫さん...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第35話

「何かしら?」とお母さんが不思議そうに言った。「鬼かな?」と言いながら浩二が提灯をかざすと、格子戸が開いて、「僕ですよ。あぁ、びっくりした」と言って入ってきたのは、四谷に住む芳夫さんだった。「福は内! 福は内!」お祖父さんはさすがの機転を利...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第34話

人の命は若い時も年をとってからもいつ終わるか分からない(老少不定:ろうしょうふじょう)とはいうものの、概して元帥、大将、中将といった階級の高い古い順から訃報が届きます。これは世の勢いとして仕方のないことです。お祖父さんもそれをよく納得してい...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第33話

「どうも病気とは縁が切れなくて困ります。しかし、もうご心配はいりませんよ。そうそう閣下、閣下のお顔を拝見して思い出しましたが、神沢閣下が亡くなられましたな? 先ほど夕刊で拝見しましてね」「ははあ、そうですか。それはそれは……」「どういうご病...
スポンサーリンク