末っ子

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山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第12話

小出のお父さんの話しぶりを見ていると、どうもそんな雰囲気だったよ。あの父と子のあいだでは、どうやら平五の勝ちみたいだな。いや、小出一族をひっくるめて相手の勝ちと言ったほうがいいかもしれないな。あの平五のやつ、とにかく自分のやりたいことを最後...
山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第11話

わが意を得たという口ぶりで、及ばずながら一切の世話をしよう、とにかく上がって、祝いに一杯やってくれとすすめた。平五はあとで来ると断り、細江の住居を訊いた。清兵衛はまた膝を叩き、そうくるだろうと思ったと言って、向こう路次の木戸から入って左の五...
山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第10話

おれはすべてを知っている、きさまがこれまでしてきた悪事を何もかも把握しているんだぞ! おれは目が見えないわけでも、耳が聞こえないわけでもないんだ!」「私はいったい、なにをしたと言うのです」「平五さん……」と母親が悲しそうに言った。「おまえは...
山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第9話

それではまるで、鳶に油揚げをさらわれるようなものだ。「まったく、鳶に油揚げをさらわれるようなものだぞ」と歩きながら彼は呟いた、「そううまくいくものか、冗談じゃない」細江にわけを話そう、と彼は思った。清鑑堂へ売りに出しに来たとき、あれは正宗だ...
山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第8話

よせばいいのにさ、ろくな刀が集まるわけじゃなし、よせばいいのにおやじは喜んで連れて行ったよ」 平五はうめいた。「どうしたんだ」と助三郎が言った、「どうかしたのかい」「よけいなおせっかいだ」と言いながら平五は立ちあがった、「くそうくらえ」「な...
山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第7話

「鞘もまだ十分に使えるし、刀の柄についている笄(こうがい)や目貫(めぬき)なんかは、それなりの値段で売れるでしょう。もういっそ、全部バラバラにして売り払っちまおうかと思っているんですよ」 すると、平五はふいに「ちょっと待て」と言って、その刀...
山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第6話

平五は叔父の居間で話をしたが、その部屋はたった三畳しかなかった。窓の外には板塀に鼻がぶつかりそうなほど狭い庭があり、痩せたアオキの木がしおれた葉をだらりと垂らしている、いかにも暑苦しくて寂れた景色だった。 話はすぐに終わり、平五は十五分...
山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第5話

涙が止まりませんでしたよ」「二分一分となるとね」と米良が計算して言いました。「二分に一分というと、ううむ、五両一分になるのか」「それから私に預けるようになったのね」と、くには言いました。「お姉様がこの家に嫁いで間もなくのことでしたね」と平五...
山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第4話

侍長屋の人間や小者たちは、喜んで買ってくれましたよ」くにはもともとでのんきな性格ですが、弟のこの驚くべき告白にはよほどこたえたらしく、「情けない」「外聞が悪い」「こんなことってあるかしら」などとしきりにため息をついて嘆きました。「しかしねえ...
山本 周五郎

初級翻訳・末っ子 第3話

平五はその帰り道、榎坂(えのさか)の米良(めら)の家へ立ち寄りました。米良平左衛門(めらへいざえもん)も、助三郎の話は本当だと笑いました。「とぼけているのか、本気なのかよくわからないがね。おそらく、とぼけているんだろうと思うが」「あの叔父さ...
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