泉 鏡花

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初級翻訳・雛がたり 第2話

浅間神社で、釜で甘酒を売っている茶店に休んだ時、鳩と一緒に日向ぼっこをしているお婆さんに、「桜の咲く頃になると、阿部川の川原で地元の人が毛氈を敷き、重箱のお弁当を広げて、花の酒宴をするんですよ」と聞きました。――阿部川への道を尋ねたついでに...
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初級翻訳・雛がたり 第1話

お雛様といえば、男雛と女雛は言うまでもありません。桜の雛、柳の雛、菜の花の雛、桃の花の雛。白と赤、紫色のすみれの雛。田舎には、つくしや鼓草(つづみぐさ)の雛もあります。相合傘の春雨雛に、小波を軽く袖で漕ぐような、浅妻船(あさづまぶね)の調べ...
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初級翻訳・竜潭譚 第7話

雨風がなおも激しく、外の様子をうかがうことさえできないため、天気が静まるのを待つうちに、夜を徹してそこに留まりました。家に帰ることもできず、姉上はそのお寺で一晩を過ごしました。その一晩の風雨によって、くるま山の山中、地元の人たちが「九ツ谺(...
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初級翻訳・竜潭譚 第6話

やがてまた人々が私を取り囲み、まるで責めるかのようにいろいろなことを問い詰めてきました。詳しく話して疑いを解こうと思っても、幼い口で順序立てて語ることなどできるでしょうか。あれこれと根掘り葉掘り聞かれ、一つ一つ説明するにも、私はあまりに疲れ...
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初級翻訳・竜潭譚 第5話

今となっては我を忘れ、声を張り上げて「母上、母上」と呼び、叫び、体を揺り動かし、押し動かしたりしましたが、何の反応もありません。ひたすら泣きに泣いているうちに、いつの間にか眠ってしまったようです。顔が温かく、胸を押さえられるような感覚で目が...
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初級翻訳・竜潭譚 第4話

知り合いではありませんが、初めて会った人だという気はしませんでした。さて、一体誰なのだろうとじっくり見つめました。女はまた微笑んで、「お前、あれは斑猫(はんみょう)といって、大変な毒虫なの。もういいのよ。まるで別人のように美しくなったわ。あ...
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初級翻訳・竜潭譚 第3話

しばらくすると、小さな提灯の赤い火影が坂の下から急いで登ってきて、向こうの方へ走っていくのが見えました。ほどなくして引き返し、私が隠れている社の前に近づいたときには、一人ではなく二人、三人連れ立って来ているようでした。ちょうどその人たちが立...
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初級翻訳・竜潭譚 第2話

背後には躑躅の花がぽつりぽつりと咲き、青い草がまばらに生えていました。お堂の裏にたどり着いたときには、もう赤い花は一株もなく、たそがれ時(夕暮れ)の暗さが、境内の手洗い場のあたりを包み込んでいました。柵で囲った井戸がひとつあり、古い銀杏(い...
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初級翻訳・竜潭譚 第1話

躑躅(つつじ)が丘  鎮守の社  かくれあそび  逢魔が時(おうまがとき)  大沼  五位鷺(ごいさぎ)  九ツ谺(ここのつこだま)  渡船  ふるさと  千呪陀羅尼(せんじゅだらに)躑躅が丘 お昼どき。たらたらと続く坂道には、木陰ひとつあ...
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初級翻訳・瓜の涙 第5話

湧き水は、誰も知らないこんな静かな時にこそ、いっそう高く、清らかに、そして勢いよく湧き出し、ほとばしっているのだろう。大きなハエがブーンと音を立てて飛んできた。そこへ――       六あんな体の調子では、蝶よりもハエのほうが集まってくるの...
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