透明人間

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海野 十三

初級翻訳・透明人間 第27話

「やつがいましたか?」署長が目を大きく見開いて尋ねた。「いや、ここまで登ってくることはできませんよ。念のために撃ったのです」ドスン……と階下で、木の鎧戸(よろいど)を力任せに叩き破る音が響いた。続いて、窓ガラスが派手に破られた。しかし、一階...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第26話

道をあるいていて、いきなりなぐられても防ぎようがない、というのだ。音もなく家に忍びこまれても、これまた、見えないのだから、どうしようもない。町の人は不安にかられていた。げんにその朝、道で遊んでいた子どもの一人が、いきなり何者ともしれないもの...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第25話

そこで、あの浮浪者をやとったんだが、だいじな研究ノートと金をもって、にげてしまった」「浮浪者は警察にいるよ」「あっ、あいつが……」 透明人間が、すっくと立ちあがった。そのとき、玄関のベルがなった。ベルの音をききつけると、透明人間はケンプ博士...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第24話

さいごには食堂をかけぬけて、ベッドの売場から洋服ダンスのならんでいるところへ逃げこみ、そのかげで着ているものをすっかりぬぎすてて、もとの透明な姿になることで、追手につかまるのをなんとかのがれたんだよ」「やれやれ、大苦労をしたものだね……」「...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第23話

追っかけてきたやつらは、うすくなって、ついに消えてしまった足あとをさがして、その辺をうろうろしていたよ」「やれやれ、透明になっても、いいことばかりじゃないね」「それはそうだ。だが、もちろん、すてきなことだってあるからね。かけまわっているうち...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第22話

歯をくいしばってがまんしたが、うめき声はひとりでに高くなり、ついにぼくは気絶してしまったんだ」ケンプ博士は、おそろしさに身ぶるいしながら、心のなかで、(やつの魂は悪魔にみいられているにちがいない。でなければ、ふつうの人間に、そんなおそろしい...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第21話

その光景は、なんともいいようのないくらい、ぶきみなものだったよ」「それで……」「白い羊毛がすっかり消えて、ぼくの目に見えなくなったときには、まるで信じられない気がしたよ。ぼくはそっと、羊毛をおいたあたりをさわってみた。すると、どうだ! やは...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第20話

そしてふつうのうすいガラスが、光のすくないうす暗いところなどでは見にくいわけは、光をほとんど吸収しないし、はねかえすことも、おれまがる度合もすくないからなんだ」透明人間はむちゅうで、しゃべりまくっている。ケンプ博士はあきれ顔をして、じっと相...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第19話

まるっきり、夢をみているのか、気がちがっているのか……わけがわからない」 なんダムも頭をふりながら、廊下をゆっくりと歩いて書斎にはいった。博士は、ぐったりといすに身をなげだして、もの思いにしずんでいたが、「そうだ、新聞を見れば、なにか手がか...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第18話

信じてくれたまえ、ケンプ!」「では、話してみたまえ」「話そう、が、そのまえにすまないがウィスキーと食事と着る物がほしいんだよ。じつはけがをしているので、傷はいたむし疲れきっているんだよ」「食べ物に着物だって……すこし待ちたまえ、なにかあるだ...
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