土田 耕平 初級翻訳・海坊主の話 第2話 ある年の秋、雨がしとしとと降る日に、ヒゲのじいは仲間の漁師たち七、八人と一艘の小舟に乗って沖へ漕ぎ出しました。雨が降る日は、海はたいてい静かなものだそうです。その代わり、どこを見ても何も見えない、灰色の幕にすっかり包まれてしまって、ただ静か... 土田 耕平海坊主の話
土田 耕平 初級翻訳・海坊主の話 第1話 子供のころの思い出を振り返ると、何よりも先に「ヒゲのじいさん」の姿が目に浮かびます。ふさふさとした長いヒゲを生やしていたので、私は「ヒゲのじいさん、ヒゲのじいさん」と呼んでいましたが、今になって考えてみると、あの頃のじいさんはまだ五十歳にも... 土田 耕平海坊主の話