小川 未明 初級翻訳・黒い旗物語 第2話 「昨夜は恐ろしい海鳴りがしたから、何か変わったことが起こると思っていたんだ」と老人が言いました。「よくもまあ、こんな荒波を越えてこの港の近くまでやってきたものだ。何か用があってここへ来たのだろうか」と一人が言いました。「ごらんなさい、あの船... 小川 未明黒い旗物語
小川 未明 初級翻訳・黒い旗物語 第1話 一 どこからともなく、おじいさんと子供の二人の乞食が、ある北の港町にやってきました。 季節はもう秋の終わり。日に日に寒さは増し、太陽は南へと遠ざかって、差し込む光も力弱くなっていました。 毎日、渡り鳥たちが、まるで帆柱の林のように立ち並ぶ港... 小川 未明黒い旗物語