絵のない絵本

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アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第15話

この旅のあいだに感じた印象をもとにして書かれたのが『即興詩人』(1835年)であり、この作品によって初めて、彼の名は国の内外に広く認められるようになったのです。『ただのバイオリン弾き』や、ここに訳した『絵のない絵本』、そして『スウェーデンに...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第14話

まるで、わたしがこの男の顔を見てはならないように、そしてまた、この男がわたしの顔を見てはならないとでもいうかのようでした。男は馬車に乗りました。馬車の戸がしめられました。むちがヒューッと鳴りました。馬はこんもりとした森の中へ駆けこんで行きま...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第13話

ただひとり、胸に憧れを抱いて飛んで行きました。青い、ふくれあがる波をこえて、ひとりさびしく飛んで行きました」――第二十九夜「きみにスウェーデンの光景をもう一つ話してあげましょう」と、月が言いました。「薄暗いもみの木の森のあいだ、ロクセン湖の...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第12話

このひとがたったひとこと言いさえすれば、テームズ河のほとりに光りかがやく家が立つのです。たったひとこと言いさえすれば、ナポリの入江近くに別荘が立つのです。『もしもわたしが、息子たちの幸福が咲きいでたこの小さい家を見捨てたなら、幸福も息子たち...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第11話

そして上にはカッコウがとまっていて、下には重い鉛のおもりが垂れ下がっていました。ぴかぴか光る真鍮(しんちゅう)板の振り子が左右に揺れ動き、コットン、コットンと音を立てていました。ところが、その子が見ていたのはこの時計ではありませんでした。そ...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第10話

この男は美しい若い妻のことでも考えていたのでしょうか? 毛皮と高価な肩掛けで飾られたラクダが、この男の妻を、美しい花嫁を乗せて、町の城壁のまわりを歩いたのは、たった二日前のことだったのです。太鼓や袋笛が鳴りわたりました。女たちは歌いました。...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第9話

騎士らしいひげが、あごのまわりにちぢれていましたが、その男の目には涙がたまっていました。それもそのはず、人々から口笛で野次られて、舞台を引き下がってきたばかりだったのです。もっとも、野次られても仕方がありません。あわれな男です! 才能のない...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第8話

すると、プルチネッラは笑い転げて飛び上がりました。こうして彼の憂鬱もどこかへ吹き飛んでしまいました。けれども、コロンビーナの言葉は真実でした。プルチネッラは彼女を愛していたのです。それも、芸術における崇高で偉大なものを愛するのと同じくらい、...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第7話

「何を見てるんだい?」と、男の子はききました。「コウノトリを見てるのよ」と、女の子が言いました。「おとなりのおばさんがね、コウノトリが今夜あたしたちに小さい弟か妹を連れてきてくれるって言ったの。だからあたし、コウノトリが来るのを見ようと思っ...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・絵のない絵本 第6話

人々が悲劇の劇場に近づいたとき、みんなは円形劇場の石の段の上にすわりました。こうして数千年前と同じように、ふたたびこの劇場のわずかな場所が人々に占められたのです。舞台はまだ昔のままになっていました。壁を塗った側面と、背景に二つのアーチがあっ...
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