山月記

スポンサーリンク
中島 敦

初級翻訳・山月記 第3話

そういう時、私は向こうの山の頂上の岩に登って、空っぽの谷に向かって吠えるんだ。この胸を焼くような悲しみを誰かに訴えたいんだ。私は昨日の夕方も、そこで月に向かって吠えたんだ。誰かにこの苦しみを分かってほしいって。でも、獣たちは私の声を聞いて、...
中島 敦

初級翻訳・山月記 第2話

それ以来、今までにどんなひどいことをし続けてきたか、それはとても話せるものではありません。ただ、一日の中に必ず数時間は、人間の心が戻ってきます。そういう時には、昔と同じように、人の言葉を話せますし、複雑な考えもできますし、経典の章句を暗唱す...
中島 敦

初級翻訳・山月記 第1話

むかしむかし、隴西(ろうせい)っていうところに、李徴(りちょう)っていう、とっても頭が良くて才能のある人がいました。天宝(てんぽう)っていう時代の終わり頃、まだ若かったのに、立派な名前を「虎榜(こぼう)」っていう、すごい人たちのリストに載せ...
スポンサーリンク