幸福のうわおいぐつ

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アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第11話

なにしろこの宿屋のおかみさんからして、裸足で櫛も入れないボサボサの頭に、汚れくさったブルーズ(作業着)一枚でお客を迎えました。戸は紐でくくりつけてありました。部屋の床は、煉瓦が半分崩れた上を掘り返したような有様でした。こうもりが天井の下を飛...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第10話

逃げろ、逃げろ!」カナリアがそう言うと、書記はついその気になって、スウッと窓の外へと飛び出しました。その瞬間、隣の部屋の、半分開いた戸がギイと音を立てると、緑色をした火のような目の飼い猫が忍び込んできました。猫はいきなりひばりを追いかけよう...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第9話

この「うわおいぐつ」は、何かを一生懸命にやる人のように、一度に一つのことしかできません。詩人になりたいと言えば詩人になり、今度は小鳥になりたいと言えば、本当に小鳥になってしまったのです。とたんに、詩人の心は消え失せてしまいました。「これは実...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第8話

「どうも詩人というものはきみょうななかまだな」と、書記はおもいました。「わたしもああいう人間の心持になってみたいものだ。じぶんで詩人になってみたいものだ。わたしなら、むろん、あの連中のように泣言をならべはしないぞ……ああ、詩人にとってなんて...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第7話

ただ違うのは整形病院では、ギプス型を患者が入ってくるたびに取るのですが、この心のなかでは、人が出ていったあとで型をとって、保存されることでした。ここにあるのは女のお友だちの型で、そのからだと心の欠点がそのままここに保存されていました。すぐま...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第6話

そうすれば、みんなが見つけて鍛冶屋を呼びにやってくれて、鉄の格子をやすりで切って助け出す、という展開になるでしょう。でも、そんな作業はすぐに終わるものではありません。すぐ前の貧民学校から総出でやってくるだろうし、すぐそばの海員地区からも人が...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第5話

(偽ヘルシェルが作り出したものよりも、ずっと確かな想像力で形作られていて、もし一列に並べて絵に描いたら、それは美しいアラビア模様になることでしょう。)この人たちも言葉を話していましたが、夜番の魂にその意味が理解できるとは、誰も思わなかったは...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第4話

それはどんな人だって、一生に一度は心の底を歌にうたいたい気持ちになる折があるもので、そういうとき、思った通りを紙に書けば詩になります。そこで紙にはこう書いてありました。「ああ、金持ちでありたいな」「ああ、金持ちでありたいな」俺はたびたびそう...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第3話

あなたは当然、古い書物を深く読み込んでいらっしゃるのでしょう?」「ええ、ええ、それはもう」と、参事官は応じました。「わたしも有益な古書を読むのは大好きですが、現代の本もずいぶん読みますよ。ただ困るのは『その日、その日の話』というやつで、わざ...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・幸福のうわおいぐつ 第2話

「島へ渡るのかい?」と船頭が声をかけました。「島へ渡るだって?」と、参事官はオウム返しに答えました。なにしろ、自分が今、いつの時代にいるのか、本人にはさっぱり分かっていなかったのです。「私はクリスティアンス・ハウンから小市場通りへ行くんだよ...
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