ひな勇はん

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ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第6話

変だなと思いながら中身を三行ほど見たとき、まあ、どんなに驚いたことでしょう!こんな悲しい知らせなら、自分が死んで棺桶に入るまで封を開けなかったのに――と、まっ青になりながら、とまどい、震える手でその手紙をぎゅっと握りしめました。どうしてまあ...
ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第5話

そして、私たちがその現実を思うだけで全身を震わせていた、九月の九日を迎えてしまったのだ。朝、目を覚ました瞬間から、二人はずっと一緒に過ごしていた。そうして長い時間、言葉も交わさずにご飯も食べず、ただお互いの手をなで合ったり、しっとりと潤んだ...
ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第4話

そして千羽鶴をおって糸を通す針で小指をついたんで母はんによいんでつつんでもらったら友達が私に小指をきったんだろうって云われたなんかって云う事があった。一日一日と立つごとに私とお妙ちゃん雛勇はんとは段々仲がよくなるばっかりであった。お妙ちゃん...
ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第3話

紫色にキラキラと光るたくさんの髪――私はまるで、絵の中、それも浮世絵の中からふわっと抜け出してきた人を見ているような気持ちでいました。ふっと、なんとなく、軽やかな微笑みが私の頬にのぼりました。「今日はいい日だこと。いつもより静かで――そして...
ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第2話

一日中お部屋でぼんやりしているなんて到底ムリだし、それにやっぱりお妙ちゃんに会いたいし!」そんなことを思いながらごはんを食べて、昨日と同じ着物を着て、昨日よりもずっと大胆に格子戸をガラリと鳴らして、「お妙ちゃんはいる?」って声をかけることが...
ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第1話

いつでも黒い被衣(かつぎ)をすっぽりとかぶって裾を引き下げていたおばあちゃんと一緒に、京都へ行っていたのは、ちょうど六月の終わり頃のことです。池の水草に白い豆みたいな花がポツリポツリと咲き始める時期から、紫陽花(あじさい)の色が色あせていく...
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