籠の小鳥

スポンサーリンク
徳田 秋声

初級翻訳・籠の小鳥 第4話

「仕事はもう済んだのか」淳二は、その労をねぎらうかのように尋ねた。「はい、なんとか」「どのくらい書けたんだ」「三十枚ばかりですが、ちょっと儲かりました」羊三は笑っていた。「どのくらいになる」「いくらにもなりはしません。でも、近頃はいいんです...
徳田 秋声

初級翻訳・籠の小鳥 第3話

そしてまた、この鉱山の労働者たちは、都会で見かける工事現場や道路、高いビルで働いている多くの労働者たちよりも、ずっと幸福な日々を送っているようにも思えました。もちろん、どの作業場を見ても、彼らの顔は青白くて寂しげで、こわばっていました。彼ら...
徳田 秋声

初級翻訳・籠の小鳥 第2話

ただ、他の仕事にはあまり融通のきかない性質の者たちだからな」羊三は兄の立場をよく知っているので、それについて自分の意見らしいことは何一つ口に出しませんでした。「Y家なんざ、実は他の資本家のようにひどいことはしていないんだ。町の経済界はY家に...
徳田 秋声

初級翻訳・籠の小鳥 第1話

一 羊三は山を眺めることを目的に、その山全体を管理している兄の淳二と一緒にここへやって来た。けれど、毎日の決まった仕事があったりして、すぐ鼻の先にある山の陰からモクモクと立ち昇る煙を毎日見ながらも、ついその近くまで行くのがおっくうで仕方がな...
スポンサーリンク