ゆだん大敵

スポンサーリンク
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第10話

向こうの小屋へあの男を運んでやれ」久之助は懐から財布を取り出して賢七に渡した。「……これを渡し守にやって、一刻も早く医者に手当をさせるんだ。今日のことは絶対に他言してはならないぞ」そして久之助は、明るい月光の中を、静かに城下のほうへと去って...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第9話

そして、そんなことを言わせる原因を作ったのは、試合に負けたお前なのだ!」「それは違います、本当に違うのです! 彼はうちの藩に家臣として雇われることを期待していたのですが、それがダメになったので、その不満からそんな悪口を叩いているだけなのです...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第8話

そこには、賢七が言っていた「死に装束」と、毎日の登城(お城への出仕)に使う服が入っていました。それを一枚ずつ取り出していくと、おそらく着物の袖(そで)のあたりにでも押し込んであったのでしょう、またもや飴玉が十個ほどゴロゴロと転がり出てきまし...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第7話

余にはどうにも本当のこととは思えんのだが、実際のところはどうなのだ」「お言葉どおりでございます」「わざと譲ってやったのか?」忠辰はカッと目をいかりさせました。「……あの思い上がった態度が憎たらしいからこそ、お前が出ていけと申し付けたのだ。そ...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第6話

気の早い田口求馬が、まるで五重塔のてっぺんから飛び降りるような、決死の覚悟を決めたような悲壮な目をしながら、「よし、それならまず拙者のから披露しよう」 そう言って、あらかじめ用意してあったらしい許し書きをスッと取り出し、厳かにみんなの前に広...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第5話

必ず相手を倒さなければならないし、自分自身の死も免れない覚悟が必要だ。つまり、日々の稽古の目的はそこにある。一生に一度、刀を抜いたなら必ず敵を討ち取る――それこそが剣術の極意なのだと、心得てほしい」そう言って、久之助はただひたすら「一撃の重...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第4話

そして否も応もなくそこで師範の役に就いたが、かれは門人を五人と限ってお受けをした――五人とは少な過ぎるではないか、忠辰がそういうと、「しんじつ道を伝えるためには、一時に多くをお預り申しても致し方がありません」 久之助はそう答えた。「……また...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第3話

他人に見られては困る手紙や書類、やり残した仕事、整理しておかなけらばならない私物もあるだろう。今夜のうちにそれらをきれいに片付けてから、また来なさい」 図書は本気でした。それでは、どちらか一方が死ぬ覚悟というのは、ただの脅しではなかったので...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第2話

久之助は退出するとき、「蜜柑のことは覚えて置く」という言葉を貰った。長岡へ移ってからの久之助は、藩士で後に忠辰の侍読となった小出経之(こいでつゆゆき)についてひじょうによく学んだ。それから原田義平太(はらだよへいた)という老人を師に三留流(...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第1話

一 老田久之助(おいたひさのすけ)が、殿様の特別な側近であることは、長岡藩(ながおかはん)で知らない者はいなかった。 本当の苗字は郷田(ごうだ)なのだが、「老田」と呼ばれていることにもその特別扱いの理由があらわれている。つまり、藩主である牧...
スポンサーリンク