透明怪人

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江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第34話

」明智は、グルッと、人々の顔を見まわしました。みんなの目が、飛びだしそうに、見ひらかれています。みんなが石にでもなったように、身うごきするものもありません。「おわかりになりましたね。そうです。老怪人に化け、明智に化けた黒川記者、その黒川もほ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第33話

黒川はあのとき、奇術師のはやわざで、真珠塔をガラス箱の中から、ぬきとっておいたのだよ。だから、夜中に、みんなが金庫の前に、がんばって、賊をまっていたときには、とっくに金庫はからっぽになっていたのさ。そのとき、怪人がしのびこんだように、感じら...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第32話

「だが、あのとき、透明怪人は倉庫から、逃げだして、廊下にいた店員と、階段をおりてきた人夫に、つきあたり、ふたりをたおしているじゃないか。」「あのふたりが、やっぱり黒川の助手だったのさ。ハハハハハハ、うまく考えたもんだね。ひとりは店員に化け、...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第31話

あっけにとられた人々は、息をするのもわすれたように、じっと第三の明智のすがたを、見つめています。おおぜい、人がいるのに、部屋の中はシーンとして、ものすごいほどの、しずけさです。裏から見る第三の明智は、部屋のまん中に立って、課長や係長にむかっ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第30話

小林少年はだれをつれてくるのでしょう。そして、こんどは、どんなふしぎがおこるのでしょう。三人の明智小五郎 部屋じゅうの人が、「アッ。」と声をあげて、そう立ちになりました。そのとき、小林少年といっしょに、部屋へはいってきたのが、あまりに意外な...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第29話

すぐさま、中村係長のさしずで怪老人は自動車にのせられ、警視庁にごそうされました。さてこれから、いよいよ、なんとも形容のできない、ふしぎなことが、やつぎばやにおこるのです。少年名探偵 そのあくる日、お昼すぎのことです。警視庁の調べ室には中村係...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第28話

ふたりの警官は、相手にさとられぬよう、そっとその建物に近づいていきました。雨どいをつたう男は、まるで軽業師(かるわざし)のように身軽にスルスルとおりてきます。下に警官がまちかまえていることは、すこしも気づかないようです。男は地面から二メート...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第27話

いそがしく手まねきされるものですから、ベッドをおりて、さいわい、昼間の着物をきていたので、そのまま入り口のふたりに近づきました。「ここにいてはあぶない。あんぜんなところへ、おつれします。おおいそぎです。あとで、わけはゆっくり話します。」中村...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第26話

ときどきそのうちの一人が椅子から立ち上がり、塀の外の道路まで出て様子を見ることもあるのです。裏庭と道路の境目には低いコンクリート塀があり、そこに出入り口のくぐり戸がついています。塀の外には街路灯が立っていて、その明かりが庭の中までかすかに照...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第25話

」のろいの影 それからすこしたって、明智探偵事務所の、広い応接間に、明智夫人文代さんをかこんで、中村係長、黒川記者、小林少年の三人が、思いおもいのイスにこしかけていました。その応接間は、道路に面した一階にあるので、窓のカーテンをしめ、電灯も...
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