室生 犀星

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室生 犀星

初級翻訳・童子 第4話

私には、恩樹がその子どもを得意そうに抱いたり、あやしたり、おしっこをさせたりしているのを見るたびに、いつも馬鹿馬鹿しい気持ちがしました。連れてこないときは、決まって子どもへのお土産のパンや玩具の包みを抱えていました。あまりにそれが定着しすぎ...
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初級翻訳・童子 第3話

「しばらく休んでからにしたほうがいい」私は見かねてそう言い、心の中でため息をつきました。胸肌の薄い皮膚が少し黒ずんでいるのまで気になり、絶望的な気持ちになりました。女中部屋で一休みさせてから、明かりの下でまた赤ん坊に乳房をくわえさせましたが...
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初級翻訳・童子 第2話

毎日3回も、お忙しいのにミルクを分けていただいて、本当に感謝しています」お母さんはそう言って、赤ちゃんが眠っている部屋へと案内しながら言いました。「とにかく、一度この子を見てやってくださいな。こんなに丸々と太って元気なんですよ」「まあ、本当...
室生 犀星

初級翻訳・童子 第1話

お母さんには「脚気(かっけ)」という病気があったので、赤ちゃんの健康のために、お母さんのミルク(母乳)は絶対に飲ませないことに決めました。ふっくらとしたお母さんは、おっぱいが張ってくると肩がものすごく凝って痛くなるので、生ぬるい白いミルクを...
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初級翻訳・音楽時計 第2話

私は冷や汗をかきながら、すぐに答えました。「入れてあげるよ。お母さんにも話して、必ずそうしてあげる。僕は嘘はつかないからね」そう慌てて答えると、女の子は少し安心したのか微笑んで、「あたし大切にしていたから。この間もお母さんにお願いしたんです...
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初級翻訳・音楽時計 第1話

夜になると、階下から音楽時計の音が聞こえてくるようになりました。ひとつひとつの音はバラバラでちぐはぐなのですが、じっと耳を澄ませていると、不思議なことにそれらがすべてつながり合って、ひとつの歌のように聞こえてくるのです。昨日も、そして今夜も...
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初級翻訳・神のない子 第1話

ミツは雨戸にしっかり鍵をかけて出かけましたが、その前に勘三も仕事へと出かけていました。あん子は昼まで表に出て、土橋の石の上に太陽の光がどう当たっているかを見ながら、母親が食事の用意をして帰ってくる姿を、町の外れから町の方へと眺めていました。...
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初級翻訳・老いたるえびのうた 第1話

きょうは、えびのように悲しい。体には、角やひげや、とげがいっぱい生えているけれど、その中のどれが悲しんでいるのか、さっぱりわからない。ひげにたずねてみても、「おれじゃないよ」と言う。とがったとげに聞いてみても、「わしでもない」と言う。それじ...
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初級翻訳・後の日の童子 第2話

「病院の奥様からこの花をいただきました。もう枯れてしまいましたけれど」「水甕(みずがめ)に入れておきなさい。いつもよくしてくださるのね」いつの間にか、男の子は母親のそばに立っていました。背伸びをして、赤ちゃんを覗き込もうとしています。父親も...
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初級翻訳・後の日の童子 第1話

一 夕暮れどきになると、一人の男の子が門の前に立ち、ペンキが剥げ落ちて読めなくなった表札の文字をじっと見つめていました。 植え込みの向こう側から見ると、その小さく黒い影は、まだ明かりの灯らない街灯の下で、裾がすぼまった寂しげな姿を地面に落と...
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