芋粥

スポンサーリンク
芋粥

初級翻訳・芋粥 第6話

最後にその山の芋が一つも筵の上に見えなくなった時、芋の匂いと甘葛の匂いを含んだ幾筋もの湯気の柱が、もうもうと晴れた朝の空へ舞い上がっていくのを見ました。これを目の当たりにした彼が、今、提に入れられた芋粥を前にして、まだ口をつける前から満腹を...
芋粥

初級翻訳・芋粥 第5話

明日、巳の刻(午前十時頃)に高島のあたりまで男どもを迎えにやり、鞍を置いた馬を二頭、引かせて参れ』と、こうおっしゃるのです」「それはまた、珍しいことでございますな」五位は利仁の顔と家来の顔とを、いかにももっともらしく見比べながら、両方に満足...
芋粥

初級翻訳・芋粥 第4話

東山だと思えば山科、山科だと思えば三井寺。あげくが越前の敦賀とは、一体どういうことでございますか。最初からそうおっしゃるなら、下人なりとも連れてまいりましたものを。――敦賀とは、とんでもない」五位は、今にも泣き出しそうな顔で、ぶつぶつとつぶ...
芋粥

初級翻訳・芋粥 第3話

彼はその言葉を聞くと、慌てて答えました。「いや……ありがとうございます」このやり取りを聞いていた者たちは、一斉に吹き出しました。「いや……ありがとうございます」――こう言って、五位の返事を真似る者までいます。橙(だいだい)や黄色い橘を盛った...
芋粥

初級翻訳・芋粥 第2話

水干はまだ、肩が少し落ちていて、紐の色が怪しくなっている程度ですが、指貫のほうは、裾(すそ)の傷み方がひどいものでした。その指貫の中から、下着もはかずに細い足が出ているのを見ると、口の悪い同僚でなくとも、痩せた公卿(くぎょう)の車を引いてい...
芋粥

初級翻訳・芋粥 第1話

これは、元慶(がんぎょう)という時代の終わりか、仁和(にんな)という時代の始まりあたりの話です。どちらの時代だったとしても、この物語の展開には大して関係ありません。読者の皆さんはただ、「平安時代という、ずっと昔の話なんだな」ということさえ分...
スポンサーリンク