豊島 与志雄

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豊島 与志雄

初級翻訳・鳶と柿と鶏 第4話

」「そんなことを言ったら、外国人同士では会話なんてできなくなりますよ。」吉村は笑い飛ばそうとした。「ええ、本当の意味で心を通わせるのは難しいと思います。翻訳にしましてもね……。」そして彼女は翻訳の話を始めたので、吉村は内心ほっとした。絶対に...
豊島 与志雄

初級翻訳・鳶と柿と鶏 第3話

ただし相手が鳶だから、うまくかぶさるかどうかは分からないけれど、その代わり、鳶がちょうど首を突っ込めるくらい網の目は大きくしてあるそうです。 餌はイワシでした。「へえー、鳶が魚を食うのかね」「動物園の鳶は魚を食べています」 明瞭な答えに吉村...
豊島 与志雄

初級翻訳・鳶と柿と鶏 第2話

だから、僕たち一つずつ貰いました。どうぞ、食べてみてください」 そう言うのです。眉から目、鼻筋にかけてキリッとした色白の顔立ちで、どこか開放的な雰囲気があり、おまけに言葉遣いがぶっきらぼうなのが面白く(もちろん、このことだけは李の前では彼女...
豊島 与志雄

初級翻訳・鳶と柿と鶏 第1話

一 丘の上の小道から、ゆるやかな上り坂の野原をはさんで、急な崖が続いています。そこには背の低い木々や小さな笹が茂っていました。 その崖の藪の中から、まるで熊か猪でも飛び出してくるかのようなガサガサという音がしたかと思うと、突然「わっ!」とい...
豊島 与志雄

初級翻訳・魔法探し 第2話

彼の体は底なしの池の中へ、逆さまのままどんどん沈んでいきます。上の方を見ると、池の水面や白い花、急に晴れた空や月の光などがぼんやりと見え、花の間では精霊たちが歌い踊っています。彼は深く沈みながらその景色をぼんやりと眺めているうちに、いつしか...
豊島 与志雄

初級翻訳・魔法探し 第1話

一むかし、ペルシャに、とてつもなく頭のいい学者がいました。この世のあらゆる学問を学びつくし、何ひとつ知らないことはないというほどで、王様やみんなからとても尊敬されていました。ところがある日、高い塔の上からお堀に落ちて亡くなった人を見て、彼は...
豊島 与志雄

初級翻訳・風ばか 第2話

どう言ったらいいかなあ、空気の息、神様の息、いろんなものの息……ただ息だよ」「ただ、息だけ?」「息だけだよ」「ばかな奴だな」 お父さんは声たかく笑いました。マサちゃんもお母さんもいっしょに笑いました。ガラス戸の外には、椎の葉がときどき散って...
豊島 与志雄

初級翻訳・風ばか 第1話

一 ――みなさん、人間のからだって右と左がそっくり同じだと、思っていませんか。右に目があれば左にも目がある。右に耳があれば左にも耳がある。鼻も半分、口も半分、手も足も右と左に一つずつ。真ん中からスパッと切ってみたら、右側と左側はまるで同じに...
豊島 与志雄

初級翻訳・雷神の珠 第1話

一 むかしむかし、風の神や水の神、山の神など、いろんな神さまがこの世のあちこちにたくさんいたころのお話です。あるところに、一人の長者が住んでいました。 ある日、長者は旅人からこんな話を聞きました。「雷の神さまが空から落ちると、落ちた場所に大...
豊島 与志雄

初級翻訳・長彦と丸彦 第4話

そして驚かれたことには、京の大臣の屋敷から悪者に盗まれたあの立派な馬が取り押さえられており、さらに噂の高かった鞍馬の夜叉王までもが捕らえられていたのです。それについて長彦から詳しい話を聞き、坂の上の朝臣がどれほど満足されたかは、言うまでもあ...
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