初級翻訳・魔法探し 第2話

豊島 与志雄

彼の体は底なしの池の中へ、逆さまのままどんどん沈んでいきます。
上の方を見ると、池の水面や白い花、急に晴れた空や月の光などがぼんやりと見え、花の間では精霊たちが歌い踊っています。彼は深く沈みながらその景色をぼんやりと眺めているうちに、いつしか意識が遠のいていきました。

四

どれほどの時間が経ったのか、彼はふと我に返りました。
見ると、自分はいつのまにか何十年か前に旅立った我が家に戻っており、寝床の上に横たわっていました。髪の毛は真っ白になり、手足は痩せ細り、腰も立たず、ひどく年老いて死にかけていたのです。
彼は驚いて目を見開きましたが、森の中での出来事を思い出し、急いで星の数と髪の毛の数を口にしました。そのおかげで不思議な術を得た彼は、死ぬ前に自分の体を石に変えてしまいました。

石になった彼の体は、やがて家の人々に見つけられ、大変な評判となって王様の耳にまで届きました。王様は石になった彼を宮殿に運ばせ、魔法探しの旅についていろいろと尋ねましたが、彼はすでに石になっていたため、一言も話すことができませんでした。
結局、不思議な魔法の術のことも、空の星の数や髪の毛の数も、誰にも伝えられることはありませんでした。ただ彼の石の体だけが永く残り、学者たちから尊ばれ、拝まれているのです。

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