中谷 宇吉郎

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中谷 宇吉郎

初級翻訳・鼠の湯治 第2話

その間は傷がかえって広がったり、少し治りかけたと思ったら止まったりと、いろいろ気ままな経過をたどるのです。いわば「治ろうか、どうしようか」と迷っているような期間があり、それを過ぎてから初めて、正規の治癒曲線に従って治っていくのです。この正規...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・鼠の湯治 第1話

これは、北海道大学のY先生の研究室で実際に行われた、「ネズミに温泉療法を試す」という不思議な実験のお話です。「ネズミに温泉?」と聞くと、なんだか突拍子もないことに聞こえるかもしれません。でも、「温泉に入るとケガが早く治る」という昔からの言い...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第5話

その中でも一番大がかりだったのは、去年の七月二十一日にニュー・メキシコ州で行われた実験です。その前にも、去年の正月にハワイで、ドライアイスを使って七十三ミリの雨を降らすことに成功したという報告がありました。しかしその時は、世間はあまり注目せ...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第4話

零下三十七度というような低い温度まで、過冷却の状態を保つことはできません。この場合、氷はほとんど例外なく、試験管の壁からでき始めます。そのため、壁についている目に見えないような小さなホコリが芯となって最初の氷の粒ができ、それができると「氷と...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第3話

冷凍装置を動かしながら、上蓋をあけておきます。すると、冷たい空気が箱の中に溜まった状態になります。底に近い空気は零下三十度近くまで冷えますが、上部は部屋の空気に触れているので、常温に近い空気になっています。上が暖かいので、冷蔵庫の中の空気は...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第2話

この種の実験は何度も繰り返され、90パーセントの確率で成功したといいます。しかし、その後のソ連におけるこの研究の行方は知る由もありません。あるいは秘密にされているのかもしれませんが、立派に実用化される段階までは成功していないように見受けられ...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第1話

昔から、世界中のどの国でも「人間の力で雨を降らせたい」という願いを持っていました。雨乞いのお祈りや、雨を呼ぶための歌などは、まさにその気持ちの表れです。そうしたお話はさておき、科学の力で雨を降らせようという計画も、ずいぶん昔からいろいろな方...
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初級翻訳・郭公のおとずれ 第1話

六月に入って少しすると、カッコウ鳥が鳴き声を響かせます。そして、カッコウと一緒に、みんなが待ちに待った北海道の初夏がやって来るのです。長くて寒い北国の春にすっかり疲れてしまった人々は、さわやかな初夏の風が、ようやく出そろったニレの木の青葉を...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・誕生日の贈物 第1話

私がこれまでに聞いたなかで、誕生日にもらった最高の贈物の話をしよう。もちろん自分の話ではなく、知人のアメリカ人の親戚の人の話だ。今年の春頃、原宿の私の家に、その知人から紹介された、中年の上品な身なりのアメリカ人夫婦がやってきた。アメリカでも...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・海底の散歩 第2話

致命的な心配はないのですが、あまりに突然のことだったので、少し慌ててしまいました。母船側の操作はとても上手くいったようで、数秒のうちにワイヤーがピンと張り、機体はほぼ元の位置に戻りました。このごく短い時間の間に、窓の外に現れたもの。それこそ...
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