中谷 宇吉郎

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中谷 宇吉郎

初級翻訳・海底の散歩 第1話

今日の地球で、私たちの生活に近そうでいて、実は一番遠い世界。それは水中の世界、つまり「水界」です。虫も鳥も獣も人間も、空気中で生きている以上、みんな「気界(空気の世界)」の生き物です。水中の世界は、それとはまったく別の世界なのです。私たちは...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・尾長鶏 第1話

今回の土佐への滞在で、もう一つの素晴らしい収穫は、尾長鶏(おながどり)を見ることができたことだ。尾長鶏のことは、中学校時代に、進化論の証明の一つとして教わったことがあった。しかしその後、あれは一種の人工的な品種改良であって、種の自然な変化で...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・天地創造の話 第4話

ふつうの活動中の火山で溶岩を見ても、こんなドキドキする気持ちはあまり起きません。ついさっきまで大地の底にあったものが、今目の前に突然あらわれたという、地球のパワーをまざまざと見せつけてくれるこの新しい火山だからこそ、初めて感じられる気持ちな...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・天地創造の話 第3話

各人それぞれ自慢のカメラや寒暖計などを持ち出して、たいへんな意気込みで乗り込むことになった。洞爺湖温泉で一泊した一行は、翌朝速く立って湖畔に沿い、明治四十三年に出来た新山の麓を通って、西湖畔へ出た。此処まではところどころに降灰の痕跡を見る程...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・天地創造の話 第2話

これだけのすさまじい変化が地面の下で起きるからには、きっと地下でものすごく恐ろしい力がうずまいているにちがいない。しかし、それがそのままドカンと大噴火して爆発するのか、それともこのままの程度で落ち着いてくれるのか、その先を予想するのはなかな...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・天地創造の話 第1話

「天地創造の話」なんて言うと、まるで絵本や神話のなかの、とてつもなく大がかりな出来事のように聞こえるかもしれないけれど、実はこれ、一昨年(おととし)の、昭和十九年の夏から、北海道のほんの一角で、本当におきた、ものすごい大事件(だいじけん)な...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・大洪水 第1話

今度アメリカの東部海岸地方をおそったハリケーンは、ものすごい猛威をふるいました。ハリケーンというのは、日本の台風とそっくりなもので、ふつうはメキシコ湾で生まれ、アメリカの東海岸に沿って海の上を北東へすすみ、大西洋へ抜けていく性質を持っていま...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・原子力の切手 第1話

いま、アメリカでは「原子力の平和利用」をテーマにした切手が売られています。アメリカ大陸が描かれた地球と、ユーラシア大陸が描かれた地球。二つの地球を並べて原子核に見立て、その周りを電子が回る軌道の輪で囲んだデザインです。この種の記念切手として...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・八戒に遭った話 第2話

一般の西洋人が『降魔図(ごうまのず)』から受ける印象と、孫悟空や八戒とともに育ってきた私たちが、この絵から感じるものとは、本質的に違っていても少しも不思議ではありません。東洋画の心髄は、見る人を「協同製作者」として巻き込むところにあるという...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・八戒に遭った話 第1話

もう十年も昔の話になりますが、私が学士院賞という賞をいただいた時、その賞金で『東瀛珠光(とうえいじゅこう)』と『西域画聚成(さいいきがじゅせい)』という二つの立派な本を買ったことがあります。学士院賞というのは、私たちが中学生になったばかりの...
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