木の子説法

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木の子説法

初級翻訳・木の子説法 第8話

「あれは鷺流(さぎりゅう)の狂言かい?」這い出てくる子は、動きがやたらに早い。まるで谷川の流れに枕でも流されていくかのように、ちょろちょろと這い出てくると、山伏の裾(すそ)にからみついた。本来なら、ここで毒キノコが傘の轆轤(ろくろ)を弾いて...
木の子説法

初級翻訳・木の子説法 第7話

ひとりでに、頭のてっぺんへと流れていく涙のなかで、網の上の初茸が、おなじように、むくむくと傘の軸を動かすと、ぼくはその下に、激しく燃えさかる炎を思い描いていた。みんな、ほんの一瞬の間だったけれど、その、くるくる回っている胸元が、ふわふわと浮...
木の子説法

初級翻訳・木の子説法 第6話

いまそのこぼれるにつけても、さかさに釣られた孤家の女の乳首が目に入って来そうで、従って、ご新姐の身の上に、いつか、おなじ事でもありそうでならなかった。――予感というものはあるものでしょうか。その日の中に、果しておなじような事が起ったんです。...
木の子説法

初級翻訳・木の子説法 第5話

おからに煮込んだ魚の剥き身は、自分の小指でも食いちぎりそうなほどの勢いで、私も二つ三つおすそわけにいただいて食べたし、みんなも食べたんですから、きっとその※(魚)のせいです。何ヶ月ぶりかの魚だったから、大人たちはみんな坊やに譲ったんです。そ...
木の子説法

初級翻訳・木の子説法 第4話

学生の癖に、悪く、商売人じみた、はなを引く、賭碁を打つ。それじゃ退学にならずにいません。佐原の出で、なまじ故郷が近いだけに、外聞かたがた東京へ遁出した。姉娘があとを追って遁げて来て――料理屋の方は、もっとも継母だと聞きましたが――帰れ、と云...
木の子説法

初級翻訳・木の子説法 第3話

……同じ少年のせいで、ほんの少しの間に、一度は膝をまたがれ、一度は脇腹を小突かれ、三度目には腰を蹴飛ばされてしまった。彼はものすごい勢いで、何度もトイレ(お茶飲み所)を行ったり来たりしていたのである。そんな様子を見て、一樹が、例の指を胸につ...
木の子説法

初級翻訳・木の子説法 第2話

」 私は思わずクスリと笑った。 扇子屋さんの真上の鴨居(かもい)には、今日の番組表が大書してある。 私がざっと読み取ったのは、先ほどの塀の下ではなく、まさしくここでの演目のことだ。合わせて五番。中に能の仕舞(しまい)も混ざっていて、序盤から...
木の子説法

初級翻訳・木の子説法 第1話

――ハモあみだ仏、はも仏ととなえれば、フナらくの世に生まれ、コチへコチへと請じられ……仏と雑魚して居るべし。されば……ひだいかめらいし、真経(まきょう)には、タコとくあのくタダ――……時節(じせつ)の柄(がら)をわきまえるがいい。お蕎麦の値...
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