国枝 史郎

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今昔茶話

初級翻訳・今昔茶話 第5話

これに対して心を痛めたのが、フランスにいたロシア公使のクラキンでした。クラキンは本国へ向けて、フランス国内の反ロシア熱を報告し、「今のうちにナポレオンの増長した慢心を砕いておかなければ、ロシアに対して何をしでかすか分からない」と警告しました...
今昔茶話

初級翻訳・今昔茶話 第4話

また、尼子氏の上月城を毛利の兵が攻めた時、秀吉が上月城を助けようとして出兵した。それもまた「後詰め」の兵なのだ。さて、現在行われているヨーロッパの大戦争で、イギリスが、「うちの国が味方をするからドイツと戦いなさい、絶対に勝ちますよ」 と勧め...
今昔茶話

初級翻訳・今昔茶話 第3話

合従の策というのは、六つの国が手をつないで同盟を結び、そのチームワークの力で秦を滅ぼそうという作戦だった。これが大成功し、蘇秦は六国同盟のボス(盟主)となったのである。ところが、秦がその同盟の切り崩し作戦をスタートさせると、これがうまくハマ...
今昔茶話

初級翻訳・今昔茶話 第2話

さて、会場を出て、その外交官がモスクワの通りを歩いていると(このお話の舞台はロシアなのだ)、うしろから人が近づいてきて、その外交官を刺そうとしたが、「おや、白い糸が無い」と言って、刺すのをやめて立ち去った。……つまり、白い糸をコートにつけた...
今昔茶話

初級翻訳・今昔茶話 第1話

一 風見章さんのこと 前司法大臣の風見章(かざみあきら)閣下、とこう書き記すと、なんだかもの凄くえらい人物になってしまい、僕なんかではとても手が届かない存在になってしまう。しかし、前・大阪朝日新聞記者の風見章、とこう書けば、僕のような者であ...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第32話

……それなのに、お姉様はぼくを置いて塔の中へ行ってしまうなんて! ……塔の中には何があるっていうの? お姉様の好きなものがあるの? ねえ、好きなものがあるのかよ? ウソだウソだ! そんなもの何もないよ! あんな黒くて恐ろしい塔の中にそんなも...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第31話

少年 (塔を見つめながら)塔だ! 塔だ! なんて恐ろしい塔なんだ! さっきお姉様が、塔なんて何もないって言ったのは、全部ウソだったんだ! ウソだ! あの恐ろしくて気味の悪い塔の中に……お姉様が! ……お姉様だよ! 行っちゃいけない、行っちゃ...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第30話

このとき、最後に残っていた黄色い糸が、真ん中あたりでぷつりと切れて落ちる)女の子 切れた! (と立ち上がる)(たちまち、上手[かみて]の入り口の鉄の扉が、音もなく開いて、影のような人たちの列が、表情のない足どりで部屋の中に入ってくる。――先...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第29話

女子 すんなりと越えられたかい?少年 うん、うん、すんなり越えられたの。僕を連れて来てくれたその人がね、僕の手を引いて門の前まで来たら、門が自然に両方へ開いて、二人が中に入るとまた閉まったんだ。開く時と閉まる時、重くて暗い音がしてね。その音...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第28話

塔の中の人、塔の人……!少年 (おずおずと)それからね、お姉様……! お姉様が歌を歌ったあとで、ぼくに「うらうづ貝(巻貝)」をふたつくれたよね。ふたつのうらうづ貝を。――お姉様、それを覚えていて。女子 ううん、(うなずきながら)ああ、そうそ...
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