国枝 史郎

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レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第7話

やがて、主屋の方から馬のいななき、騎士たちが吹く角笛、そして真鍮のラッパの音に小太鼓の音が重なり合い、領主の万歳を叫ぶ声が、騒がしく賑やかに響き渡ってくる。二人はその音に驚いて立ち上がる。間もなく左手の入口から使いの小僧が慌てて駆け込んでき...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第6話

」(間)その誘惑にとりつかれているばかりに、あの人は俺の言うことを聞かず、俺を愛そうともせず、いつもあの淋しい荒海の、荒れ果てた浜辺ばかりを恋しがっているのだ。(沈黙)だが、いよいよ明日の夜には、あの音楽堂の競技場で、すべてのことがはっきり...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第5話

」領主「(うっとりと夢見心地で)そうだ、彼女は小鳥よりも早く目を覚まして、お庭に降りていき、いくつにも分かれた庭の小道の間を、絹の薄物をゆったりと肩にまとっただけの朝の姿で、アルハラヤ月草や、こととい草や、沈丁花の花々のあいだを、白鳥よりも...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第4話

(ちょっと間を置いて)かと思うと、また最近になって、あの女の方をご自分のお屋敷に迎え入れてからは、昔とは打って変わって活動的になられましたが、家来たちのことには昔ほど優しくしてくださらなくなり、何をするにもあの女の方の都合ばかりを考えて、お...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第3話

だからこそ、空の色も光も形も、すべてごまかさずに、あるがままの姿を映し出すのだ。」従者「だんな様。」領主(やはり聞こえていないかのように)「それにしても、今日の海はなんて美しく、穏やかなのだろう。これまでにも、ずいぶんと穏やかで美しい夕暮れ...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第2話

この少年こそが、あの「死に向かう人魚の歌」をうたうのです。けれど、みんなが歌を競い合う華やかな音楽堂で歌ったのではありません。カーテンをしめきった自分のお部屋のなかで、冷たくそっけない心をもつ少女に自分のことを思い出させようと……あるいは、...
レモンの花の咲く丘へ

初級翻訳・レモンの花の咲く丘へ 第1話

この異国情緒(エキゾチック)あふれる一冊の本を、三郎お兄さまに捧げます。お兄さまは、私を深く愛し、私という人間を認め、いつも温かく守ってくださる、世界でたった一人の大切な方なのです。はじめの言葉にかえて、二つの詩を贈ります。孤独のメロディ三...
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