信太妻の話

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信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第12話

「帰ろうや、元の古巣へ」というフレーズは、葛の葉の物語には必ずといっていいほど登場する、お決まりの小唄の文句です。こんなところにも、かつて遠い異郷を「母の国(妣が国)」と呼んだ時代の面影が、しっかりと残っていたのですね。「信太妻(しのだづま...
信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第11話

その同類として「藤原童子丸」という名前が見えることは、南方翁(南方熊楠)が指摘されました。しかし、角太夫の「信太妻」以来、歌舞伎の唄にも謡われた「葛の葉道行」の文句には、「安倍の童子が母上は」とあります。このあたりの言葉は、説経節から伝わっ...
信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第10話

ばらけた髪を「わらは」と言い、髪を散らしている年頃の子どもを髪の形から「わらは」と呼ぶのに準じて考えると、寺の奴隷たちが髪を結い上げず、ばらしたままの「大童(おおわらわ)」という髪形でいたからなのです。柳田國男先生が考えられた、いわゆる「禿...
信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第9話

それと同時に、神様との宴(相嘗:あいなめ)に供えられたお供え物が、氏子たちと同じ根っこから分かれたものであり、神様に近い存在であるという考え方があったことは、前にお話しした通りです。もし、こうした推測をそのまま進めてもいいのなら、植物の話は...
信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第8話

古い書物の記録を信じれば、日本の結婚の歴史において、父が母の住む家へ通うという例よりも、よその村から母が奪われるようにして連れてこられたという場合の方が、ずっと古くからの形であるように見えます。母方の家で育って母系の集団に組み込まれるよりも...
信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第7話

妻が自分の「もとの国」の神さまに仕えるための、神聖なルール(物忌み)の期間は、夫にも絶対にのぞき見させません。もしこの大切な約束を夫が破ってしまうと、夫婦の仲はたちまちこわれてしまいます。「絶対に見るな」と言われた約束をやぶって夫がこっそり...
信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第6話

つまり、一族のくらしをきめたり、あるたいせつな信仰をになっていたりする動物がいるということが考えられるのです。ツケン島(沖縄の中頭郡)では、島の六月のお祭りを「ウフアナの拝み」と呼んで、そのころにちょうどやってくるジュゴンをつかまえて、あち...
信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第5話

前者の話には蛇という言葉は出てきませんが、三輪の神を蛇体だと考えていたことは事実です。この系統の話で、九州の緒方氏の伝説は、その家がもともと大神田(おおがた)であり、三輪(大神神社)社に関係のある家筋であるという点から、注意すべきものです。...
信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第4話

それこそが、晴明の母の正体だったというのです。合理的に考えれば、人間社会に溶け込めない漂泊民の女だったからこそ、畜生扱いされて「狐になって去った」という話になったのでしょう。特に信太神社の近くには、世間から隔離されて暮らす村が今も残っている...
信太妻の話

初級翻訳・信太妻の話 第3話

いろいろと探してみると、向こうの小山に、子供のおもちゃである土で作ったキセルや土の茶釜が置いてありました。やはりこの辺りに住んでいるに違いないということになりましたが、その子供は大人になった後、孫右衛門を襲ったため、村の人たちは「狐じじい」...
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