「帰ろうや、元の古巣へ」というフレーズは、葛の葉の物語には必ずといっていいほど登場する、お決まりの小唄の文句です。
こんなところにも、かつて遠い異郷を「母の国(妣が国)」と呼んだ時代の面影が、しっかりと残っていたのですね。
「信太妻(しのだづま)」というタイトルも、実はいつから使われ始めたのか、はっきりとは分かりません。
物語の本文の中には、この言葉は出てこないのです。
このタイトルにも、何らかの由来がありそうです。
そのうえ、この「信太妻」という名前が、遠い異国の村からやってきた妻、という意味を含んでいるように思えるのも、非常に興味深いことだと私は感じています。
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