国木田 独歩

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国木田 独歩

初級翻訳・空知川の岸辺 第4話

森の中を流れているんですから」二人は、頭が隠れるほどの熊笹の間を縫うように続く、帯のような細道をしばらく行くと、一人の老人に出会いました。私は道庁の出張員がいる小屋の場所を尋ねました。「この道を三丁(約300メートル)ほど行くと幅の広い新し...
国木田 独歩

初級翻訳・空知川の岸辺 第3話

案内くらいはできるはずですよ」と、どこまでも親切に言ってくれるので、私は感謝の言葉も見つからないほどでした。なるほど、縁とは奇妙なものです。もし私が別の宿屋に泊まっていたら、決してこれほどの便宜と親切を受けることはできなかったでしょう。主人...
国木田 独歩

初級翻訳・空知川の岸辺 第2話

真紅に染まった木の葉は枝を離れ、二枚、三枚と馬車を追いかけるように舞っていました。御者が鞭を強く一振りして、「もうすぐ雨が降るぞ!」と叫びました。「三浦屋の前で止めてくれ!」と先の男が叫んで、私を振り返りました。私は目礼をして、その親切に感...
国木田 独歩

初級翻訳・空知川の岸辺 第1話

一私が札幌に滞在したのは、たったの五日間でした。ほんの短い期間ではありましたが、この間に私は北海道という土地への愛着を、何倍にも膨らませていました。日本の本土といえば、中国のようにもともと人口がぎっしりと詰まった土地で育ち、山も野原もすべて...
二少女

初級翻訳・二少女 第4話

パンを焼く手際があまりにも見事で、見ていて面白いほどでした。二人はちょっと足を止めて眺めていました。「おいしそうねえ」とお富は笑って言いました。「明日の朝のぶんを今作っているのかしらねえ」とお秀も微笑みながら歩き出そうとすると、「ちょっと待...
二少女

初級翻訳・二少女 第3話

「ううん、怒るどころか、あなたがこうして来てくれて本当にうれしいわ。局のみんながいろいろ言っているのは、なんとなく耳に入っていたけれど……でも、みんながああ思うのも仕方がないって思っているの……」そう言うとお秀は悲しそうな顔をして、ふうっと...
二少女

初級翻訳・二少女 第2話

おかしなことになっちゃって、ふふっ」と言ったお秀の顔には、恥ずかしそうな笑みの中に、どこか隠しきれない後ろめたさや言い知れぬ事情が見え隠れしていた。「私の口から言うのはちょっと気が引けるけれど……でも、江藤さんなら大体わかっているでしょう…...
二少女

初級翻訳・二少女 第1話

上夏の初めのこと。月の光が街に満ちあふれる夜の十時ごろ、カランコロンと鼻緒のゆるそうな吾妻下駄(あづまだげた)の音を高く響かせながら、十八歳くらいの少女が、赤坂の方から何か思い詰めている様子で、首をうなだれながら歩いてきます。薄暗い狭い抜け...
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