帽子のない水兵 初級翻訳・帽子のない水兵 第1話 まだ横須賀行きの汽車に電気が通っていなくて、蒸気機関車が走っていたころのことだった。夕方の六時四十分ごろ、その汽車が田浦(たうら)の駅を発車したときのことだ。帽子をかぶっていない、青白い顔をした一人の水兵が、まるで影法師のようにふらふらと二... 帽子のない水兵田中 貢太郎