北条 民雄

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北条 民雄

初級翻訳・青い焔 第2話

「霧、霧、すてきじゃない。棚の中から見ると、特別きれいね」その言葉と同時に、野村は自分にぶつかってくる女の体の重みを胸に感じ、思わずよろけそうになる足を踏ん張りました。すると続いて、女の冷たくなった頬と濡れた唇が、重なり合うようにして押し寄...
北条 民雄

初級翻訳・青い焔 第1話

第一章 深い霧の夜が、毎晩のように続いていました。 黒々と続く雑木林の繁みからあふれ出すように、霧は月光を浴びて乳白色に光りながら、音もなく菜園へと広がっていきました。 梨畑がぼんやりとした白い煙の中に消えていくと、連なった葡萄棚の輪郭も少...
北条 民雄

初級翻訳・牧場の音楽師 第1話

夕方になると、ぼくはなんだかじっとしていられなくなって、いつも決まって散歩に出かけるんだ。この病院の中をぐるっと一回りするんだけど、一体これまで、何回同じ場所を同じように歩いたんだろうね。気分が重いときやイライラしているときは、見慣れた景色...
北条 民雄

初級翻訳・可愛いポール 第1話

ミコちゃんが飼っている小犬は、本当に可愛らしいんですよ。丸々と太った体には、綿のように柔らかい毛がふかふかと生えています。名前はポールといいます。これはミコちゃんが、三日もかけて一生懸命考えた名前なんです。ポールというのは、フランスの美しい...
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