宮沢 賢治

スポンサーリンク
宮沢 賢治

初級翻訳・黒ぶだう 第1話

子牛が退屈して頭をぶらぶら振っていると、向こうの丘を通った赤狐が風のような速さで走ってきました。「ねえ、散歩に出かけないか?僕がこの柵を持ち上げているから、早くくぐっておしまいよ。」子牛は言われた通り、まず前足を折り、生えたばかりの角を大事...
宮沢 賢治

初級翻訳・黄いろのトマト 第3話

四本の足はゆっくりと上下に動き、時々フウ、フウという呼吸の音も聞こえてきた。二人はいよいよ強く手を握り合って付いて行った。そのうち、お日さまは妙に赤くどんよりとして西の山に沈んでしまい、残りの空は黄色く光り、草はだんだんと青から黒く見えてき...
宮沢 賢治

初級翻訳・黄いろのトマト 第2話

あまり長居して飽きられてしまうと、こいつはまたいろいろといやなことを言うからね。では、いいかな?」番人のおじいさんは僕の涙を拭いてくれて、それから両手を背中で組んで、ことりことりと向こうの部屋を見回しに行きました。おじいさんの足音が、その薄...
宮沢 賢治

初級翻訳・黄いろのトマト 第1話

博物局十六等官キュステ誌 僕の町の博物館には、大きなガラスの戸棚があります。その中には、剥製になった四羽のハチドリがいます。 生きているときは「ミィミィ」と鳴き、蝶々のように花の蜜を吸う、あの小さくて可愛らしいハチドリです。 僕はその四羽の...
宮沢 賢治

初級翻訳・鹿踊りのはじまり 第3話

鹿たちはびっくりして、一斉に竿のように立ち上がると、まるで強い風に吹き飛ばされる木の葉のように、体を斜めにして逃げ出しました。銀色のススキの波をかき分け、輝く夕陽の光の筋を乱しながら、はるか遠くへと駆け去っていきました。彼らが通り過ぎたあと...
宮沢 賢治

初級翻訳・鹿踊りのはじまり 第2話

みんなもびっくりして一斉に逃げ出そうとしましたが、その一匹がぴたりと止まったので、やっと安心して五つの頭をその一つの頭に集めました。「どうだった、なんで逃げてきたんだ」「噛みついてくるかと思ったんだよ」「一体何なんだ」「分からないな。とにか...
宮沢 賢治

初級翻訳・鹿踊りのはじまり 第1話

そのとき、西の空のぎらぎらと縮れた雲のあいだから、夕日が赤く斜めに苔の野原を照らしました。すすきはみんな、白い火のようにゆらゆらと揺れて輝いています。わたしが疲れ果ててそこに眠ると、ざあざあと吹いていた風が、だんだんと人の言葉のように聞こえ...
宮沢 賢治

初級翻訳・鳥箱先生とフウねずみ 第2話

フウ、ちょっと待ちなさい。お前はいつも、わしが何か言おうとするとすぐに逃げてしまおうとするが、今日はまあ、少し落ち着いてここへ座りなさい。お前はなぜそんなにいつも首を縮めて、背中を丸くするのです」「だって先生。私の友達はみんな、もっと背中を...
宮沢 賢治

初級翻訳・鳥箱先生とフウねずみ 第1話

あるところに、ひとつの鳥かごがありました。鳥かごというよりは、鳥箱(とりばこ)と呼んだ方が、ぴったりくるかもしれません。その箱は、天井と底、そして三方の壁が、とても厚い板でできていて、正面だけが針金の網でできた戸になっていました。そして横の...
宮沢 賢治

初級翻訳・鳥をとるやなぎ 第2話

というのも、モズが群れで飛んで行って木に止まること自体は決して珍しいことではありません。けれど、今日のはあまりに急に落ちたし、もしかすると、あの馬を引いていた人の話の通り、木に吸い込まれたのかもしれないと思うと、なんだか本当のような嘘のよう...
スポンサーリンク