荒木 光二郎

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フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第15話

ふたりは刺すような寒さの中で、ぴったりと寄り添い合って横たわっていました。北の海からフランダースの平原へと吹き抜けてくる激しい風は、まるで冷たい氷の波のようでした。それは触れるものすべてを凍りつかせるほどの冷たさでした。ふたりがいた巨大な石...
フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第14話

そして、パトラッシュ以外には、ネロがたったひとりで、みじめに飢え死にしようとしていることに気づいている人は誰もいなかったのです。粉屋の台所はとてもポカポカしていました。大きな薪が暖炉の中でパチパチと音を立てて燃えています。近所の人たちが「お...
フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第13話

革袋には、コゼツのだんなの名前がしっかりと書かれていて、中には、なんと二千フランもの大金が入っていました。それを見た瞬間、ネロのぼうっとしていた頭が、少しだけはっきりと働き出しました。ネロは革袋を自分のシャツの内側へしまい込むと、パトラッシ...
フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第12話

けれども、二人は、この小屋をとても愛していました。二人は、ここでとても幸せな時を過ごしたのです。夏にはブドウの蔓がおおいかぶさり、豆の花が咲いているこの小屋は、日差しに照らされた野原の中で、とてもすてきに明るく見えました。二人は、一生懸命働...
フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第11話

誰も、粉屋のばかげた疑いや、途方もない非難を本気で信じてはいませんでした。けれども、村人たちはみなとても貧しくて、無知でした。そこに、一人の金持ちの男がネロを非難したのです。ネロは無実でしたが、友だちがいませんでしたので、人々の気持ちがネロ...
フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第10話

ヤナギやポプラの木に囲まれた、あの小さな灰色の教会で教えられたとおり、ネロはまっすぐな心で、何の疑いもなく神さまを信じていたのです。いよいよ、厳しい冬がやってきました。その夜、二人が小屋に戻ったあと、雪が降りはじめ、それは何日も何日も降りつ...
フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第9話

それだけなんだ」「ああ! そうか」 老人は黙ってしまいました。少年の純真な答えから、おじいさんには事情がのみこめました。おじいさんは、今でこそぼろ小屋の隅っこで、乾燥した木の葉っぱをしきつめたベッドに寝たきりになっていますが、世間のやり方と...
フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第8話

この間中ずっと、小さい松の板の絵は、カッコウ時計と蝋でできたキリストの像と一緒に、粉屋の家の暖炉棚の上に飾ってありました。ネロは、自分の贈り物は受け入れられたのに、自分自身は拒絶されなければならないというのは、少し厳しいことだ、と時々思うの...
フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第7話

そして、アロアは、ジェハンじいさんの孫と彼の犬が一番お気に入りの遊び友だちでした。アロアの父親であるコゼツのだんなは、いい人でしたが、いくぶん頑固なところがありました。ある日のこと、コゼツのだんなは、牧草の二番刈りが済んだばかりの風車小屋の...
フランダースの犬

初級翻訳・フランダースの犬 第6話

というのも、教会が「キリスト昇架」と「キリスト降架」という名画を見せるために要求するお金を払うなんてことは、大聖堂の高い尖塔のてっぺんによじ登るのと同じくらい、二人の手に負えないことだったからです。二人には、節約してとっておくような小銭すら...
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