鈴木 三重吉

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やどなし犬

初級翻訳・やどなし犬 第1話

一 むかし、アメリカの小さな町に、とても優しくて働き者の肉屋さんがいました。冬の季節の、ある寒い朝のことです。外はひどい風が雨を横なぐりに吹きつけていて、びゅうびゅうと荒れ狂っていました。町の人たちは、こうもり傘をしっかりと握りしめ、体を丸...
ぽつぽのお手帳

初級翻訳・ぽつぽのお手帳 第2話

すずちゃんは、目が覚めて蚊帳をどけてもらうと、黒いきれいな目を開けて、その赤いひもをじっと見ていました。お母さまはときどき立って、そのひもをこちらの方へ少し引いて見ました。そうすると、すずちゃんの黒い目はすぐに斜めの方へ、こちらを見ました。...
ぽつぽのお手帳

初級翻訳・ぽつぽのお手帳 第1話

一 すず子のぽつぽは、二人とも小さな小さな赤いお手帳を持っています。 この二人は、「黒」よりも「にゃーにゃー」よりも、「君」よりも、誰よりも一番早くから、すず子とお友達でいるのです。 一番はじめ、ある冬の氷が張っている寒い日に、二台の大きな...
そり(童話)

初級翻訳・そり(童話) 第3話

子どもたちは、奥の部屋から台所へ、台所から奥の部屋へと駆け回っては、お母さんに、リカが何と言ったとか、どんなふうにせきをしたとか、いちいち報告しました。まるで、台所に何かめずらしい動物でもいるような大騒ぎです。コーリヤは、お母さんが手紙と一...
そり(童話)

初級翻訳・そり(童話) 第2話

そんなことが起きたら、お母さんや、お父さんや、レーワや、ボーリヤや、サシュールカが、それこそどんなに泣くだろう。 そうだ、ドウーニヤ叔母さんだって泣くに決まっている。 コーリヤはあたりを見回しました。なんだか、本当に狼や悪漢がすぐそばで自分...
そり(童話)

初級翻訳・そり(童話) 第1話

一 果てしなく広がる雪の野原を、二頭立てのそりが一台、のろのろと進んでいました。 そりについた鈴が、さびしげな音を響かせます。 真っ白に凍りついたぼろ布をかけられた馬は、煮えたぎる湯気のような白い息を、ヒューヒューと絶え間なく吐き出していま...
かたつむり

初級翻訳・かたつむり 第2話

そんなことは、とてもできっこありません。おお、いやだ、いやだ。ミスは遠くから、あざ笑うような様子でこちらを見ています。トゥロットがどんな結末をつけるのか、ひざの上に本を乗せて、身を乗り出して見ていたのです。三そのミスが、突然、針で刺されたか...
かたつむり

初級翻訳・かたつむり 第1話

一 ある朝、トゥロットのお母さまは、たくさんのお客さまと一緒に馬車に乗って、お出かけになりました。 ド・ヴレーさんというよその紳士が手綱を握り、もう一人の紳士がラッパを鳴らして、みんなとても楽しそうに出発しました。 トゥロットはまだ小さくて...
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