このお話は、いわば家族の間で行われた霊界(目に見えない世界)からのメッセージをまとめたもので、そこには少しの嘘や余計なものは一切入っていません。
ですが、こうした特別な内容であるため、亡くなった弟はこれを世の中に発表するにあたって、とても慎重な態度をとりました。
霊のお告げにあったお宮の場所や、その修行の場所などを実際に自分の足で歩いて調べ、これがただの作り話ではないことをしっかりと確かめてから、はじめて雑誌に載せたのです。
霊界からのメッセージというものは、純粋な心を持った「霊媒(れいばい:霊の言葉を伝える人)」が自分を犠牲にするような特別な協力をしてくれてこそ、はじめて信頼できるものになります。そのため、その霊媒が家族の一員であるかどうかは、本当はあまり大きな問題ではないのかもしれません。
いや、むしろ家族であるほうが、怪しい不純物が混ざる心配がなくて、かえって細かいところまで詳しく知ることができるのではないかとも考えられます。
それはともかくとして、この物語の内容の価値がどうであるかはいったん置いておくとしても、亡くなった弟が心を込めて残してくれた大切な贈り物であることには間違いありません。
いま、この本が無事に出来上がり、思い出の記念として手元に置いて大切にするにあたって、この本が生まれたわけを少しだけここに書き残しておくことにします。
昭和十二年三月 浅野正恭
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