海豹と雲

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北原 白秋

初級翻訳・海豹と雲 第3話

ちちら、ちち、空の声、まだ辛い、春は来ない。匂い立つ、畦の土、また、今朝は、凍りついてしまった。【鴛鴦(おしどり)】冬の日の、オシドリの、つき放したような様子、瞳の黒さ。根が白い葦、蓮の根の、氷にも、寄り添う身の。老いてもなお、美しい、飾り...
北原 白秋

初級翻訳・海豹と雲 第2話

光り輝く、氷柱(つらら)の神。犬は噛みつく。月のかげを噛みしめて、かりかりと音を立てる。【木蘭吟(もくれんぎん)】木蘭よ。私は語ろう。さかずきは、私の子供のようなもの。木蘭よ。酒、酒、酒。酒は私の、いとおしい和魂(にぎみたま)。木蘭よ。また...
北原 白秋

初級翻訳・海豹と雲 第1話

【序】気高く、そして尊い。その美しさは清らかで、はじめて真実が通り抜ける。中身が空っぽであるからこそ満ちあふれ、充実しているからこそ空虚である。そんなふうに、詩とは魔法のような不思議な術であるのかもしれない。鳥が空を飛ぶのは、ただの当たり前...
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