初級翻訳・犬にされたカスペルの話しかけ 第1話

佐藤 武夫

あいつらに犬にされてしまったこの俺は、今こそ仲間たちとともに、四つん這いにまで追い詰めてあいつらを徹底的に叩きのめしてやろう。
ゆううつな気持ちの中でだらけている今の現場をきれいにたたみ込んで、
勇気に満ちあふれた新しい職場へと生まれ変わらせよう。
新しい住まいは、「四方隠し」の閉じられた世界ではなく「動き」のある世界へ、
「だんまり」の沈黙ではなく「話しかけ」のあふれる世界へと流れていくのだ。

駅から駅へ、
列車から納戸へ、
汽船から台所へ、
事務所から劇場へと、
怒りにふるえる進むべき方向と、
組織された健康なエネルギーに満ちあふれて、
グレーチェを含めた十二人の仲間たちが、
カスペルを含めた八人の人形を抱えて、
深く考え込みながら通り過ぎていく。

荒っぽく抱え込むその腕には、
街のあちこちに話しかけてくるポスターの呼びかけと、
舞台の代わりに台所の流しを守るような、かよわくも親しい温もりがある。
歩み続けた正しい足音の重みを、
誇らしく力強い励ましを、
俺たち人形は――ちゃんと知っているのだ。

函館の桟橋から歩み出す連絡船の、
あふれる健康なエネルギーを抑え切れなくなって疾走する船室。

一人ひとりの持ち場をはっきりと見通そうと話し合いながら、
新しい形へと新しく生まれ変わり、力強く躍動する――。
古びたやり方の殺戮劇は、
かえって健康的な手際よさを盛り上げていく。

地方のなまりが混じった発音が絡み合い、みんな興奮に包まれる。
正しく動き、激しく拍手する。
俺たち人形は、ぎこちなくも正確に動き、つかえながらも大声で話す。
劇場全体が、そのすべてをひっくるめて、
古びた殺戮へと歩み続けていく。
あの牧師の野郎が、俺を犬に仕立て上げようと、
汗水たらして俺にいろんなことを叩き込もうと必死になっていたとき、
「社会主義者はどこにだだっている。
しかし、我が国には特に多いのだ」
そう言い放ったまさにその時――!
――チュース! チュースと叫びながら、
俺たちの糸のもつれを直してくれる『黒子(くろこ)』ではなく、
俺たちの糸を滅茶苦茶にかきまわす『白子(しろこ)』たちが、
舞台いっぱいに押し寄せてきたのだ!
「勇敢な集まり」が憎しみにふるえて煮えくり返る。
「警察の横暴だ!」という叫びとともに歩み出した群衆は、
まるでしらみつぶしにするように、「土足の白子」たちの群れにめちゃくちゃに打ちのめされた。

古びた殺戮が容赦なく実行される!
「祖国のためだ」とか何とか言って、
「俺たちを犬の道に引っ張り込んだあいつらのため」に失ってしまった両足にもかかわらず、
「僕たち」の※印によって、
力強く歩み出す俺たち人形の動きは――
方向を持った熱いマグマのような出発へと、
そして、あいつらのその場しのぎのボロや**といった不正に対して、
正確な反撃のきっかけを投げかけたのだ!

俺たちは知っている。
俺たちの破れた体を繕い、傷を手当し、
荒っぽく抱き上げてくれるその優しい腕が、
今は厳しく縛り上げられてしまったことを!

体に刻まれた血のあざやかすり傷、そして縄の跡のくぼみこそが、
歴史の大きなうねりと見通し、そして真の勇敢さを導き出していくのだ。

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