2026-07

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杜子春

初級翻訳・杜子春 第3話

しかし、すぐに目を開いて見ると、空は以前の通り晴れ渡り、向こうにそびえる山々の上にも、茶碗ほどの北斗七星が、やはりきらきらと輝いています。ということは、今の激しい嵐も、あの虎や白蛇と同じように、鉄冠子の留守を狙った、魔物のいたずらに違いあり...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第2話

「いや、お金はもういりません」「金はもういらない? ほう、では贅沢をするのにも、とうとう飽きてしまったというわけだな」老人は疑わしそうな目つきをしながら、じっと杜子春の顔を見つめました。「いいえ、贅沢に飽きたのではありません。人間というもの...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第1話

ある春の日の夕方、中国の都、洛陽の西の門のそばで、一人の若者が空を見上げていました。この若者の名前は杜子春(とししゅん)。もともとはお金持ちの息子でしたが、今ではお金を使い果たしてしまい、毎日食べるものにも困るくらい、かわいそうな状態でした...
中島 敦

初級翻訳・山月記 第3話

そういう時、私は向こうの山の頂上の岩に登って、空っぽの谷に向かって吠えるんだ。この胸を焼くような悲しみを誰かに訴えたいんだ。私は昨日の夕方も、そこで月に向かって吠えたんだ。誰かにこの苦しみを分かってほしいって。でも、獣たちは私の声を聞いて、...
中島 敦

初級翻訳・山月記 第2話

それ以来、今までにどんなひどいことをし続けてきたか、それはとても話せるものではありません。ただ、一日の中に必ず数時間は、人間の心が戻ってきます。そういう時には、昔と同じように、人の言葉を話せますし、複雑な考えもできますし、経典の章句を暗唱す...
中島 敦

初級翻訳・山月記 第1話

むかしむかし、隴西(ろうせい)っていうところに、李徴(りちょう)っていう、とっても頭が良くて才能のある人がいました。天宝(てんぽう)っていう時代の終わり頃、まだ若かったのに、立派な名前を「虎榜(こぼう)」っていう、すごい人たちのリストに載せ...
宮沢 賢治

初級翻訳・注文の多い料理店 第2話

少し行くとまた扉があって、その前にガラスの壺が一つありました。扉にはこう書いてありました。「壺の中のクリームを、顔や手足にすっかり塗ってください。」見ると、確かに壺の中身は牛乳のクリームでした。「クリームを塗れって、どういうことだろう?」「...
宮沢 賢治

初級翻訳・注文の多い料理店 第1話

むかしむかし、二人のハンサムな紳士が、まるでイギリスの兵隊さんみたいにかっこよくキメて、ピカピカ光る鉄砲を担いで、シロクマみたいにモフモフした犬を二匹連れて、山奥の、葉っぱがカサカサ鳴るような場所を歩いていました。「いやー、この辺の山はなん...
羅生門

初級翻訳・羅生門 第3話

老婆は、つぶやくような、うめくような声を出しながら、まだ燃えている火の光を頼りに、梯子の口まで這っていきました。そして、そこから短い白髪を逆にして、門の下を覗きこみました。外には、ただ黒々と暗い夜があるばかりです。下人は、すでに雨を冒して、...
羅生門

初級翻訳・羅生門 第2話

ヒノキの皮のような色の着物を着た、背が低く、痩せて、白髪頭の、猿のような老婆です。その老婆は右手に火をともした松の木片を持ち、死体の一つの顔をのぞき込むように眺めていました。髪の毛が長いところを見ると、たぶん女の死体でしょう。下人は、六割の...
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