初級翻訳・電灯と浦島 第1話

槙村 浩

昔は電気がなかったから、
ずっとずっと昔、大昔に生まれて死んだ浦島太郎に、
もし今の電気を見せてあげたとしたら、
きっとすごくびっくりするだろうね。

そう思って電気を見せてみたら、浦島は「おやおや」と言った。
「この電気は、ずいぶんと暗いなあ」

……ハテナ? ハテナ?

ずっとずっと昔、大昔に生まれて死んだ浦島が、
本当は電気なんて知るはずがない。
ハテナ、ハテナとよーくよく考えてみたけれど、どうしてもわけがわからない。

仕方がないから浦島にその理由を聞いてみると、浦島はこう答えた。

「わしは今から何億年も前の昔に、竜宮城へ行ったとき、
百億色もの輝きを放つ電灯を、いくつもいくつも見てきたんだ。
だから、こんなボロボロの暗い電灯なんて、
わしは何とも思わないよ」

これを聞いてびっくり、おやおや。
これを聞いてびっくり、おやおや。

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